考え出すと止まらなくなるものに「パラドックス」があります。
日常生活の中でも「これって・・・パラドックス?」と思う相手の言葉、現場に出くわすことも多いと思います。
ここでは、そんなパラドックスの意味と使い方について紹介します。
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目次です。
パラドックスの意味と使い方
パラドックスとはギリシャ語で矛盾や逆説、ジレンマを意味する言葉です。
俊足のアキレス(ギリシャ神話の英雄)と亀が競争する、という話は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これがパラドックスに当たります。
この話では、結局のところアキレスは鈍足な亀に追いつけないとされていますが、数学的には簡単にアキレスは亀を追い抜ける、とされていたり「それは違う」といった意見もあり未だに解決されない話であり、こういった矛盾や逆説のことをパラドックスと言います。
哲学や数学の分野においては「一見間違ってそうだが正しい説」その逆に「一見正しそうだが正確だとはいえない説」という意味で用いられます。
結果が正しいものは「擬似パラドックス」と呼ばれ、結果が矛盾するパラドックスと明確に区別することもあります。
使い方の例として、有名なパラドックスと共にいくつかご紹介します。
「一見間違ってそうだが正しい説」痩せたいなら食べろ
例えば、友人との会話中「最近太り気味で、朝食や夕食を抜いたりしてダイエットしてるんだ・・・」などと話をしたとします。
すると友人は「痩せたいなら食べた方が良いよ」とアドバイスをくれます。
これは食事を抜くことで、逆に基礎代謝が下がってしまい痩せにくくなってしまう、という意味で言っているのでしょう。
しかし、これは矛盾や逆説に当たります。
そうした時に「それってパラドックスじゃん!」とこの言葉を使用します。
「一見正しそうだが正確だとはいえない説」この壁には張り紙をしてはならないの張り紙
例えば、学校、職場などの掲示板に張り紙が貼ってあり、そこに「この掲示板には張り紙禁止」と書かれていたとします。
これは、張り紙禁止の張り紙なのになんでこの張り紙だけは貼っていいのか、という矛盾、逆説に当たります。
そして、その現場を友人と目にした時に「これってパラドックスだね」とこの言葉を使用します。
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有名なパラドックス
ここでは、有名なパラドックスの紹介や使用例などを説明したいと思います。
全能
まず「全能のパラドックス」です。
これは神を全能であると仮定した場合、神に対して「誰にも持ち上げることが出来ない石を作って下さい」と言ったとき、神はこれを作ります。
しかし、誰にも持ち上げられない=神にも持ち上げられないとなると、神は全能とはいえなくなります。
逆に、神がこれを持ち上げてしまった場合、神は“誰にも持ち上げられない石”は作ることが出来ないということになり、どちらにしろ“神は全能ではない”という結論が導き出されます。
これと似たようなもので、「神は自身を全知全能でない者に出来るのか」というものもあり、これが出来た場合は全知全能の神が存在しなくなり、出来ない場合は神は全知全能ではないということになります。
こうした使い方は古くより哲学者などが神そのものや、宗教を否定する際に用いられた方法です。
これに対する解決策としては、神は人知を超える存在なので人間のものさしでは測れない、というのが有名です。
ワニの誘惑
次は「ワニの誘惑のパラドックス」です。
これの前提条件として、自身の子がワニに囚われ、食べられる寸前であるという状況と仮定します。
そのときワニが言います。
「今から私のすることを予想出来たら子どもを返そう。しかし外れてしまったら子どもは食べるぞ」と、そしてこれに対する答えは「その子を食べる」です。
しかし、これが正解である場合、その子は食べられてしまいますし、外れてしまっても食べられてしまいます。
結果、どちらを選んでも子どもは食べられてしまう矛盾が生じ、ワニは何もできないというものです。
タイムトラベル
最後は「タイムトラベルのパラドックス」です。
例えばアナタがタイムマシンで過去に行き、アナタの祖父を殺した場合、アナタはその瞬間から存在しなくなるので、タイムマシンに乗って祖父を殺しに行くというアナタは存在しなくなるという意味です。
これは、タイムリープは不可能であることの証明としての使い方が有名なものです。
解決策としては、何があっても時間は変わらず、どうやっても祖父を殺すことは出来ないという説や、パラレルワールド説などが有名です。
最後に
如何でしたか。
パラドックスの意味や使い方、分かって頂けましたか。
上記にあげた例題は考え出すと止まらなくなってしまいますので、脳の体操としては有効ですが、考えすぎないようにしましょう。
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