ヒエラルキーはギリシア語の聖者の支配を意味するヒエラルキアから来ていて、
ピラミッド形に上下に序列化された位階制の秩序や組織
を指すものとされます。
別名では、ハイアラーキー、ヒエラルヒーとも呼ばれますが意味は同じです。
また、ローマカトリック教会(キリスト教)においては天使群の階級を意味します(カトリック教会では天使群の頂点に立つのは、三大天使のミカエルやガブリエル、ラファエルなどである)。
そしてこの天使群の階級が転じて、教会組織におけるトライアングルの上下関係を指すようになっていったとされています。
現在では軍隊や企業、組織における官僚制的な秩序をいうことが多く、会社で言えば
会長、社長、筆頭副社長、副社長、専務、常務、取締役、経理担当役員、非常勤役員、監査役、本部長、本部長代理、部長、次長、副部長、支店長、所長、課長、課長代理、係長、主任、課員
のような複雑な上下関係がある場合も存在します。
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ヒエラルキーについて
病院
病院においてはヒエラルキーは存在しないとされますが、それでも経営権を握る位置においては理事長や院長、あるいは事務長などはよく知られています。
一般にはチーム医療が主体となるためにこれらは必要ないとされますが、それでも拘りを持つ場合には学歴や専門性、職階、実労働負担の部分で生じることもあるようです。
資本主義的なあるいは金銭的なヒエラルキー
経済的に恵まれない人々や中流の生活をしている人々、それに何不自由なく暮らす金持ちの人々は、階層構造と見做すかについては注釈が必要とされます。
これらの内容は、例えば高額の宝くじに当選した場合には、立場が逆転して変わり得るもので資本主義的な、あるいは金銭的なヒエラルキーという注釈が必要となります。
江戸時代の士農工商制度
我が国には江戸時代に士農工商(しのうこうしょう)という制度があり、農民が高い位置にあるのが疑問に思ったものですが、米の生産は貴重であるところから来ており、これは身分制度ではなくて職業の区分であったとされています。
そしてある程度、この職業間での行き来ができたことは歴史上でも記録が残っています。
意味の捉え方、あるいは使い方としては注意すべき点もあります。
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ヒエラルキーの使い方
ヒエラルキーという言葉の使い方としては、一般的には悪い意味で使われる事が多いです。
例えば、経済的な話をするときに、「ヒエラルキーが崩壊した…」などと使うことがあります。
また「資本主義的な、あるいは金銭的な」と言う言葉をつけると、より使いやすくなることがあります。
例えば、
「日本では、実のところ資本主義的(金銭的)ヒエラルキーの中流階層にいるのは年収1000万円以上であり、年収1000万円以下は下流階層に分類される」
などの使い方ができます。
カースト制度とヒエラルキーは違う
インドにカースト制度という階層構造がありますが、この場合には宗教的な教義に組み込まれた身分制度であって、一生の間変更されない身分のことを指しますから、意味や内容が違いますので使い方には注意が必要です。
カーストの場合、例えば先祖代々続く身分であって教育や職業において差別を受けることになります。
そして身分の違いによって下位のものは、上位のものに逆らえないという制約を受けます。
幸福感については、決まりがあるわけではないですからこの点は自由であるとも言えます。
最後に
現在あるいは過去でも一般的な階層構造があり、それは仮想のものであって、自らの努力や精進でもって階層を上下に行き来することは可能なものです。
しかしより教育を受けて出世したいという場合には、残念ながら資力のある家庭ほどその希望が叶えられるという現実があります。
又、日本においても税制面でも世代間で、貧富の差が生じないような工夫がなされているとされます。
このようなことから、ヒエラルキーは意味を正しく捉え使い方には注意が必要です。
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