日本語には、同じ読み方の異なる漢字が複数存在します。
これを「同訓異字」と言います。
例えば、「ぬいぐるみに、はなを、つけた」という文を読んだ時にどんな漢字を当てはめるでしょうか。
「花」か「鼻」かで大分意味が変わってきます。
このように漢字が異なれば意味も変わるため、まずは漢字の意味を理解して使い分ける必要があるでしょう。
ここでは、「会う」「逢う」「合う」「遭う」「遇う」の使い方の違いについて紹介します。
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「会う」「逢う」「合う」「遭う」「遇う」の使い方の違い
「あう」という言葉は、日常生活の中でもよく使う言葉です。
常用漢字として会う、合う、遭うなどがありますが、使い分けはできているでしょうか。
「街中でばったり知人にあう」という例文で確認してみます。
「街中でばったり知人に会う」これは一般的な使い方でしょう。
会う
「会う」は、主に人と人とが顔を合わせることを指します。
面会や面談など場所を決めて対面する場合、たまたま人と出会った場合、多くの人が集まる場合にも使います。
原則として人に対して使われる言葉ですが、その人にとって良い意味で印象深いものに触れた時に、「素晴らしい作品に出会った」と使われるケースもあります。
逢う
また、同じ意味の漢字で「逢う」があります。
常用漢字ではないので一般的に使われることは少ないですが、小説などでは見かけることもあるでしょう。
逢うは1対1の場合に使われ、主に恋愛関係で使われることが多くなっています。
「会う」よりも「逢う」とした方が、愛がより深く感じられます。
例「逢いに行く」「理想の相手と巡り逢う」など。
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合う
「街中でばったり知人に合う」これは正しくありません。
「合う」は、一致する、互いにするなど、人以外に使われるのが一般的です。
意見が―、目が―、好みに―、会議で話し―、などが用例です。
ただし合流・集合するの意味合いで、駅前で人と落ち―、という使い方もされます。
遭う
「街中でばったり知人に遭う」これは間違いではありません。
「遭う」は、好ましくないことに出くわすことを指します。
対象に関わらず使うことができるので、好ましくない人物と会ってしまったのなら正しい使い方ですが、事故に―、被害に―、などが用例です。
遇う
また、こちらも同じ意味の漢字で「遇う」があります。
遇は常用漢字ですが、訓読みでは習いません。
そのため使うケースはほぼないですが、遭遇や奇遇という漢字で使われる通り、良し悪しに関わらず思いがけないことに出くわすという意味があります。
最後に
漢字は主観で使い分けることはもちろんですが、ニュアンスで文の意味を読み解くことも可能です。
前後の文の繋がりを読まなくても「あう」という漢字を変えることで、どういう人と会ったのか、どういう会い方をしたのかなどを理解することができるでしょう。
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