みなさんは”引きこもり”という言葉を聞いて多くの方が「自分には関係ない、なるはずがない」と考えるでしょう。
しかし、現代ではあなたもそうなってしまう可能性が十分あるのです。
会社勤めでお仕事をしている方や主婦の方は、出勤や子供の送り迎えなどで外に出なければいけない事が多いです。
ですが実家暮らし一人暮らし問わず、様々な理由で休職中の方や無職の方などは要注意です。
ここでは、引きこもりの特徴や原因について紹介します。
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引きこもりの特徴や原因
一般的な俗説
まず、引きこもりといえば実家暮らしで働いていない若者、という特徴があると考える方が多いと思います。
実家で暮らしていれば親が買い物をし、食事などの世話をしてくれるので外に出る必要がないからです。
テレビ番組の特集などで見るのも、このパターンが多いです。
実際、引きこもりになると、死にたくなる、イライラする、生きる気力も無くなる、拒食症にもなる、と言われています。
自宅では、両親に警戒され一般家庭なら普通に台所に置いてある包丁も、引きこもりがいる家庭になるとその包丁は隠される、と言います。
中には、家族に対して暴言を吐いたり、暴力を振るう、というタイプの引きこもりもいます。
「何でこんな風になってんだよ!!」と自分の努力不足を棚に上げ、何もかも親のせいにするどうしようもないタイプだそうです。
このタイプは、「おまえらの育て方が悪いからこうなったんだぞ!!」と親に暴言を吐き、自分を正当化します。
周囲の期待に応えられない苛立ち、嫉妬から、こうした行動をとると考えられています。
また、引きこもりの多くは、インターネットの回線を解約すると逆上することが多い、と言います。
台所を占拠するタイプも存在し、家族を困らせます。
彼らからしてみれば、台所には生きていく為の食料や飲料が揃っていて、便利なのでしょう。
バリケードを築くタイプも存在する為に、家族にとっては迷惑極まりない、と言います。
そして、引きこもりの多くの親は社会との繋がりをどんな形でも良いから持って欲しい、と願う方が多いと言います。
定義
そもそも、引きこもりの定義とはどのようなものなのでしょうか。
引きこもりとは、まず自立できずに親に面倒を見てもらっている人のことを指します。
空間を閉鎖し外部との接触を避ける、などの特徴も挙げられます。
定義としては、「6か月以上、自宅や自室に閉じこもり社会参加をしない人」となっています。
引きこもりは、実に100万人以上いるとも言われています。
社会的引きこもり、自宅警備員、ヒッキー、といった呼び方もされます。
原因
職場や学校でのもめごと
原因として、一般的に言われるのが職場や学校でのもめごと、それによる精神的なダメージが原因になると言います。
このことが原因で、引きこもるのは、自分の身を守る一種の自己防衛に当たります。
しかし、長期化することで、引きこもりになる場合が多いのです。
両親が医者、弁護士、といった高学歴の家庭環境で多く発生するとも言われています。
精神疾患
もう一つの原因としては、精神疾患があります。
うつ病などの病気。
パーソナリティー障害などの性質上の問題。
などが原因としては挙げられます。
対策
引きこもりの多くは、心に傷を抱え、その環境に適応することが出来なかった人と言えます。
厚生労働省は、こうした中で「ひきこもり地域支援センター」という無料の相談所を設けています。
家族だけ、あるいは本人だけで悩むのではなく、こうした専門機関を頼ることが引きこもりの対策となります。
現状として、引きこもりに対する周囲の目は厳しく、家族は身内が引きこもりであることも告げられず、事件化するまでわからなかったというケースも多々あります。
家族だけで抱え込んだことから、そうした事件に発展することが多いと言います。
従って、まずは相談することが大事とされています。
中高年
引きこもりの特徴としては、中高年が挙げられます。
現代において、中高年の引きこもりは増加傾向にあると言います。
特に30歳代~50歳代が多いようです。
働き盛りの30代で仕事に挫折し、そのままズルズルと、といったケースもあるのですが、職場でのいじめ(ハラスメント)などの俗に言う、パワハラ、モラハラ、セクハラ、などが原因となり退職してしまい、その後うつ病などで引きこもってしまうケースも多いと言います。
実際、労働相談や違反などの摘発をしている”労働局”に寄せられる相談には「職場での嫌がらせ、いじめ」などが一番多いと言われています。
社会的な立場を利用し、いじめや嫌がらせを行う加害者は、自分のストレス解消の為に被害者に対して嫌がらせやいじめを行います。
「お前のためを思ってしたことだ」などと自分を正当化し、罪の意識がありません。
職場内のことなので、関係の悪化を恐れて誰にも相談できないなどの悩みを抱える方が多いと言います。
金銭的な問題
また、中高年の引きこもりは、若い世代の引きこもりとは違い様々な問題があり、特に金銭的な問題が絶えないのだそうです。
仮に30歳で引きこもったと仮定すると、親は60歳を超えてくることが想像出来ます。
現役を引退し、老後を過ごすのみとなった親、当然収入も減ります。
年金だけの収入では、到底やってはいけません。
生活の為にと、万引きなどの犯罪を犯すケースもあると言います。
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ニート
引きこもりの特徴としては、ニートが挙げられます。
ニートの定義は、「学校に通っておらず、仕事をしていない独身である15歳~34歳」となっています。
ニートは、引きこもりと重複して扱われることも多く、ヒキニート、パラサイトなどとも呼ばれます。
共通する点としては、自立せずに親に養ってもらっている点であり、このことが原因で周囲の人達に「怠けていて甘えている人」といった認識がされる点も共通します。
ニートから引きこもり
また、ニートから引きこもりになるケースも多いです。
はじめは真面目に就職活動に励んだり、アルバイトなどの社会参加をしていたニートが、就活やバイトが上手く行かないことで、社会人としてやっていく自信を無くし、不安や劣等感を抱えることで「働くのは自分には向いてない、できない」と思い、そのまま「引きこもり」になるとされています。
不安や劣等感は、社会参加をより困難なものにすると言います。
彼らは、昼夜逆転生活を送るのも特徴で、夜間にコンビニなどに出掛けることも多々あります。
頻繁に外出し、家族意外との接触をとるようになってきたら、社会復帰するのも近いのかもしれません。
一人暮らし
引きこもりの特徴としては、一人暮らしが挙げられます。
先ほど、一人暮らしの方も危ないと述べました。
普通は、一人暮らしで引きこもっていたら生きていけないのではないか、と考えるはずです。
しかし、今の時代は少し事情が違うのです。
現代ではほとんどの人が、パソコンやスマートフォンなど、インターネットに接続出来る機器を持っています。
ネットを使ったサービスも増えてきました。
生活用品や洋服など、何でもそろうネットショッピングや食品を届けてくれるネットスーパーもあります。
家にいながらクリックひとつで、何でも購入出来る、便利なネット社会なのです。
もちろん生きていく上ではお金も必要です。
しかし今では、パソコンやスマートフォンさえあれば出来る仕事もたくさんあるので、家にいながら収入を得ることも出来ます。
極論ですが、インターネットに接続出来る機器さえあれば、家から出なくても生活する事が可能なのです。
身体を動かすのが好きな方は自ら外に出ますが、運動が嫌いで身体を動かすのがあまり好きではない方は、積極的に外に出る事はないです。
家から出ない生活が続くと、余計に外に出るのが億劫になります。
自分には関係ない、なるはずがないと思っている方でも、そんな日々が続くといつの間にか、引きこもりになってしまうこともあるようです。
不登校
引きこもりの特徴としては、不登校が挙げられます。
ある調査によると実に80%以上の割合で、引きこもりになる人は不登校経験があると言います。
不登校は、いじめ、受験の失敗、などで起こることもありますが、学校に行く時間になると体調不良(腹痛、頭痛)を起こすのが定番とされています。
不登校のタイプ
不登校のタイプとしては、
無気力型、神経症型、発達障害・学習障害などを伴う型、人間関係型
などの様々なタイプがあります。
原因
不登校になる原因としては、学校生活、家庭環境、本人の問題、などが大部分を占めると言います。
このように、不登校になる原因は人それぞれあるようです。
一方で、引きこもりの身内がいる家庭では、家族が集まって食事するなどの団らんがないことが多い、と言われています。
それにより、周囲との隔たりを強く感じる、と言います。
つまり、家庭環境の問題による不登校から、引きこもりになる人が多いと考えられるのです。
引きこもりは不登校の延長線上にあるもの、と言っても過言ではないのかもしれません。
また、不登校による引きこもりを経験した人は、働いた経験がない為に社会性が身についておらず、就職も難しく、例え仕事が運よく見つかったとしても、仕事が長続きせず、また同じような状態に戻ってしまうことが多いそうです。
最後に
引きこもり、一度そうなってしまうとそこから抜け出すのはとても大変です。
生活習慣を自力で変えるのは、とても難しいからです。
最近あまり外に出ていない、と感じる方は近い場所でいいので、少し散歩をして日に当たり、気分転換をしましょう。
早い段階で気づく事が大切です。
友達や仲間とどこかに出かけるという、ネットや家の中だけでは出来ない事をするのも良いです。
便利なネット社会という現代の特徴に頼りすぎて、引きこもりにならないよう、心がけて生活しましょう。
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