合わせ鏡は、昔から危険だとか言われていますが本当でしょうか。
都市伝説では、過去や未来につながる、悪魔がでるなどとも言われています。
しかし、私達が普段行っている、後ろ姿のチェックも、あとほんのちょっとしたことで合わせ鏡になります。
一般的には、姿見+手鏡で「合わせ鏡」になることが多いです。
ですが、それで何か不思議な体験をしたということはあまり聞きません。
何故なら、やり方が少し間違っているからです。
ここでは、合わせ鏡の基本的な使用方法と合わせ鏡が危険だと言われる理由、やり方などについて紹介します。
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合わせ鏡の基本的な使用方法
誰でも自分の後ろ姿を見ることはできません。
しかし、身だしなみとして、後ろ姿のチェックは必要です。
特に、社会人ともなると、全体をじっくりと他人に見られてしまう機会が多くなってきます。
前から見た場合にはきっちりしていても、後ろ姿にガッカリさせられるということはよくあることです。
そこで、毎朝、合わせ鏡で自身の後ろ姿をチェックすることをお勧めします。
後ろ姿をチェックする方法
後ろ姿をチェックするには、鏡が二枚あれば、誰でもできます。
鏡のサイズは小さなものでも構いません。
特に女性は、ヘアスタイルを整える際、利用することが多くなっています。
一般的には、手鏡と姿見を利用して行われる場合が多いです。
後頭部の白髪
ある程度の年齢になってくると、後頭部に白髪がチラチラ見える人も居るはずです。
せっかくヘアスタイルを整えても、後ろにチラッと白髪が見え隠れしているのでは残念に感じられてしまうかもしれません。
まとめ髪
女性の場合、ポニーテールなどのまとめ髪をする時にも役立ちます。
位置を確認できるからです。
リボンやシュシュといった髪飾りを利用する場合にも、きちんと結んであるか確認できて便利です。
鏡は最低でも二枚
このように、後ろ姿を見る際に役立つため、鏡は最低でも二枚、所有することをお勧めします。
姿見は場所も取り、費用もかかるため、あまり持っている人は居ないかもしれません。
どちらかというと、男性よりも女性の方が所有しているものです。
姿見で後ろ姿を見る際のコツ
姿見を使って後ろ姿を見る場合、手には手鏡を持つことをお勧めします。
化粧ポーチに入るくらいの小さなものでも構いません。
位置をずらしていけば、必ず、ピポイントで見たい後ろの部分を見ることができます。
当然、後ろ姿を見るので、手鏡は自身の顔の真正面に置いてはいけません。
真正面では、自身の顔しか映らないからです。
合わせ鏡
手鏡と姿見で合わせ鏡にする際には、少し、自身の顔から横に外した位置に手鏡を持っていきます。
そうすると、後ろの姿見が手鏡に映るようになります。
姿見には、自身の後ろ姿が映っているはずです。
それを手にしている手鏡で見る、という構図になります。
これが、合わせ鏡というわけです。
毎日チェックするようになれば、自然と合わせ鏡を一発で良い位置に合わせられるようになってきます。
何事も慣れることが重要です。
こうして、いつでも手軽に後ろ姿の身だしなみを整えられるようになります。
合わせ鏡を危険だと言った大正生まれの祖母
ここでは、合わせ鏡が危険だとされる理由について、Aさんの体験談を交えながら紹介します。
私は、現在五十代です。
私の祖父母は大正生まれでした。
私が小さな頃は、夏休みになるとお墓参りを兼ねてお盆の間の数日間、祖父母の家に泊りがけで出かけるのが恒例でした。
祖父母の家は大きな日本家屋で庭も広く、その庭の一角に漆喰の白壁の小さな蔵がありました。
従兄弟たちとかくれんぼするときは、私はよくその蔵の中に隠れ場所を探したものでした。
蔵の中には、畳半分ほどもあろうかという大きな木の箱のようなものが三個ありました。
宝箱のように蓋が開くのです。
中は、ほとんど空っぽで隠れるにはいい場所でした。
その日もかくれんぼで、私は凝りもせずその大きな箱の中に隠れました。
箱の底には、古い着物が数枚ちらばっていました。
何気なくその着物をめくるようにしていると、小さくきらりと光るものが出てきました。
手鏡でした。
鏡の側には、小さな布がありました。
被せると鏡にぴったりと合いました。
その布に見覚えがありました。
家の奥の祖母の部屋、そこにある鏡に掛けてある布と同じ柄です。
お揃いの鏡だ、とわかりました。
ただなぜ、そんなところにお揃いの鏡があるのかわからず、私は祖母の部屋の鏡と一緒にすればいいと思い、その鏡を持って箱からでました。
私はまだ庭で遊び続ける従兄弟を置いて、一人で家に入りました。
祖母の部屋にに行き、祖母の細長い鏡の前に座りました。
手鏡と同じ柄の布が掛かっています。
赤い布に鶴。
私はその布を持ち上げて、持ってきた手鏡の布も取りました。
大きな鏡に私の顔が映ります。
そして、小さな鏡にも私の顔が映ります。
手にしている小さな鏡を動かしているうちに、私はそこに私の横顔が映る事に気付きました。
それが合わせ鏡ということも知らずに、左から見た顔、右から見た顔、と鏡を飽きずに眺めていました。
そこに祖母がやってきて、私を見て、物凄い勢いで私から手鏡を取り上げました。
私はその勢いにびっくりして泣き出してしまったのですが、そんな私に祖母は「合わせ鏡は危険だから二度としてはいけない」といつもの優しい祖母とは思えない、きつい言いかたで私に告げました。
それから数十年たち、祖母がなくなったときに私は意外な真実を知りました。
祖父と結婚するはずだったのは、本当は祖母の姉にあたる人だったそうです。
が、結婚直前に不治の病であっけなくなくなり、その妹である祖母が姉の為に用意された花嫁道具を持って嫁入りしたそうです。
蔵の大きな箱は嫁入り道具が入っていた「長持ち」という木の箱。
祖母は鏡と手鏡をとても気に入って使っていたのですが、ある日突然使うのを止めて古くなった着物といっしょに、長持ちにしまいこんだそうです。
不思議に思った伯母が、一度祖母に聞いたら、「合わせ鏡は危険だ。見たくないものが見える」と祖母は、ぽつりと言ったそうです。
見たくないもの。
それは祖母の姉だったのではないでしょうか。
実は私は合わせ鏡をしていて思ったのです。
…なんだか私じゃないみたい。
綺麗なお姉さんが見えるみたい…。
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合わせ鏡を科学的に考察する
先程紹介しました体験談の中で「合わせ鏡は危険だ」とAさんの祖母はおっしゃっていますが、この時いったい何が起こったのか、その現象について科学的に考察してみたいと思います。
体外離脱
科学的に考えれば、合わせ鏡は「体外離脱」を引き起こすとされています。
これは、ヴィラヤヌル・ラマチャンドン(神経科学者)とその仲間が、考え出したとされています。
やり方
やり方はこうです。
まず、大きな鏡を二つ用意します。
そして、その鏡を向かい合わせるようにして置きます。
距離は、1m程度離し、鏡には自分の背中が映るように調整します。
後は鏡を覗き込み、鏡に映る自分を見ながら指で頬をなでるだけです。
自己意識と自己投影
すると脳が錯覚を起こし、「自分が触っている人間は自分ではないような感覚を覚える」と言います。
合わせ鏡をして、自分で頬をなでることにより、あなたは鏡の中の自分を認識します。
その認識によりあなたの脳は、そこに自己意識(*1)を作りあげるのです。
つまり、Aさんの祖母は合わせ鏡をしてしまったことにより、鏡の中の自分に自己意識を作ってしまったか、あるいは姉の姿を自己投影(*2)してしまったと考えられるのです。
*1・・・自己意識は、自分がそこにいると感じること。
*2・・・自己投影は、自分が不安に思っていることや自分で認めたくないと思っている感情や本質を、物や人に存在するかのように感じてしまうことです。
最後に
以上、合わせ鏡について紹介してきましたが、合わせ鏡は鏡を覗く人にとって、見たくないものを見せてしまうことがある為に、「合わせ鏡は危険だ」と言われていることが理解できたと思います。
しかしながら、これは自己意識あるいは自己投影によるものであり、そこまで恐れるものではありません。
古来の人々はこうした事実を知らない為に、こうした不思議な現象を悪魔や霊のしわざにして、私達に警告していたと考えられます。
ただ、古来の人々が言うようにあまりこうしたことは、行わない方がいいのかもしれません。
人によっては、パニック状態に陥る原因にもなりかねないからです。
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