ワーカホリックとは、働く人を意味するワーカー(worker)と、中毒を意味するホリック(holic)をあわせた造語です。
”仕事中毒者”という意味合いで使われます。
ワーカホリックは、特に日本人に多いと言われます。
仕事熱心なのはよいことといえますが、どこからどこまでが仕事熱心の範囲で、どこからがワーカホリックかという線引きは難しいものです。
また、定義付けもはっきりとあるわけではありません。
ワーカホリックを肯定的にとらえる見方もあれば、否定的な見方もあり、その概念は人により様々です。
しかし、ワーカホリックになる人には特徴があります。
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目次です。
ワーカホリックになる人の特徴
一般的な俗説
まず一般的に見て、ワーカホリックになる人は不器用と言われています。
不器用なので、プライベートな時間と仕事の時間の切り替えが上手くできず、四六時中仕事のことを考えてしまいます。
仕事にハマリやすく、完璧にこなしたい、完璧主義であることも特徴です。
常に全力で、他人に気をつかう、真面目で几帳面、責任感が強い人に多いです。
本人にとっては、もちろん辛いことも多いのですが、仕事が完成した時の達成感を経験することで、ますます仕事に依存していきます。
はじめは、自尊心や強い責任感を満たすためのものであった仕事ですが、次第に快感へと変わっていきます。
この頃には、仕事以外のことに興味がなくなり、関心のあった趣味や恋人と過ごす時間さえもつまらない、と思うようになります。
ワーカホーリックの初期症状として、自分をコントロールできないことがあります。
ワーカホーリックの人は、仕事以外では喜怒哀楽の感情がない「仕事依存」とされています。
生きがいがない
彼らは、趣味や生きがいが仕事以外に見いだせないため、休日もやることがなく休日出勤をしたり、平日は残業をしたりということが多くなります。
趣味や生きがいによる友人関係も乏しくなるため、誘ったり誘われたりという交流も少ないのが特徴です。
几帳面で完璧主義
先程も紹介しましたが、ワーカホリックになる人は、性格的に几帳面で完璧主義な人が多いです。
そのため、自分の仕事を納得のいくまで完璧に仕上げたいがために、仕事に費やす時間が長くなりがちです。
完璧主義は悪いことではありませんが、度をすぎると自分や周りにストレスをかけることになってしまいます。
エネルギーの管理ができていない
ワーカホリックになる人の特徴としては、エネルギーの管理ができていないことが挙げられます。
エネルギーとは、思考したり、行動を起こす、何かを決断したりするときに必要不可欠なものです。
ヴァイタリティーといったり、活動力、とも呼ばれます。
彼らの特徴として、仕事に常に全力といった特徴がありますが、これは見方を変えればエネルギーの管理ができていないとも言えます。
エネルギーが足りないとどうなる
人は誰でもエネルギーと言われる資源を持っていますが、その量にも限りがあり、常に全力を尽くす人は、仕事から帰宅した時にはもうすでにくたくたで、ほとんどのエネルギーを使い果たしているとされています。
その為、家族関係も上手く行かず、家庭に居場所がないため、家に帰りづらくなり、無理矢理残業をしたり、休日出勤をしたりするようになりがちです。
すると、「家庭を顧みない」と家族から評価されてしまい、ますます家に居づらくなり、ワーカホリックに陥るという悪循環ができてしまいます。
では、このようなことにならない為にはどうすればよいのか。
それは、エネルギーの管理が上手い人になれば良いのです。
管理が上手い人
エネルギーの管理が上手い人、俗に言う要領のいい人は、仕事に対して自分の力の約4分の3程度の力しか入れないと言います(これは、ニーチェが「人間的な、あまりに人間的な」の中で述べた言葉です)。
確かに、全力を尽くして出来上がったものと、4分の3程度の力で出来上がったもの、「どちらが良い出来か」と問われればやはり、4分の3程度の力で完成したものの方に余裕が感じられますし、どこか安心のようなものさえ感じます。
つまり、力を入れすぎることは、エネルギーを多量に消費し、仕事に関してもいい結果が得られるものではないのです。
逆にエネルギーを限界まで消費することで、仕事が終わった後、家族サービスも出来ないなどのプライベートでの様々なデメリットが生じます。
常に全力を尽くすのではなく、仕事は4分の3程度の力で行うことが必要です。
また、なるべく休憩は多くとったり、人からの頼みごとも余裕がある時だけ受けるなど、エネルギーの管理を上手く行う必要があります。
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仕事依存
ワーカホリックになる人の特徴としては、仕事依存が挙げられます。
仕事で成功したいとか、お金持ちになりたいと考えている人は、仕事に依存するとまではいきませんが、20代から30代の頃は、時間が経つのも忘れるくらい、どっぷりと仕事につからなければならない時期が必ずあります。
日常生活に問題がないくらいなら「上昇思考があってよろしい」と周囲の人達からも評価されます。
しかし、これが日常生活にまで問題が出てくるようなら「依存症」と言えます。
依存症
依存症の初期症状として、四六時中、仕事のことばかり考えているようになったら「依存」です。
その後、症状が進むと、病的なまでにのめりこみ仕事のことしか頭にない「依存症」になります。
嗜癖
依存は嗜癖(しへき)とも言われ、心理的、肉体的、あるいは習慣性のあるものに快感を覚えることで、その刺激なくしては生きていけない精神状態のことを言います。
中毒などとも呼ばれることがあり、依存は、3つに分類されます。
- 一つは、物質依存です。
物質依存は、食べ物、薬、コーヒー(カフェイン)などのモノに依存します。
- 二つ目は、プロセス依存です。
プロセス依存は、仕事、買い物、ゲーム、性などで、ある結果に至るまでの過程に依存します。
- 三つ目は、人間関係依存です。
人間関係依存は、特定の相手(恋人、家族)に強く依存し、離れられない関係に陥ります。
依存は、依存症へと進行することで、心の病を抱えることになります。
「どうしてもあれが欲しい、やりたい」といった思考に陥り、快感を求めて犯罪者となってしまう人もいます。
依存である人は、まずそのことを自分で自覚することが大切です。
自覚できたのなら、周囲に助けてもらう、対象となる依存からは離れて関係を断つ、などの対処が可能となります。
働くことが善である
ワーカホリックになる人の特徴としては、働くことが善であるという考え方を持っている人です。
働くことはよいことであり、休むことは悪である、という考え方を持つ人は年齢が高くなるほど増える傾向にあります。
高度成長期を経験した世代は、特にそう考えがちです。
そのため、残業をすることや、休日出勤することなどにやりがいや喜び、責任などを感じ、ワーカホリックになりやすくなります。
逆に、有給休暇をとることや体調不良などで休むことに罪悪感を覚え、無理してでも働こうとしてしまいます。
過労死を引き起こす原因になることも
ワーカホリックになると、人体に様々な悪影響を及ぼすと言われています。
仕事の疲労やストレスは勿論、怒りっぽくなったり、家族に当たったりします。
最悪なケースでは、過労死(*)を引き起こすこともあるとされています。
十分な注意が必要です。
*・・・過労死とは、通常の限界を超えて働き続けることで、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)を招き、亡くなること。
オーバーワークが祟り、過労で自殺するまで追い込まれる「過労自殺」のことを指します。
最後に
ワーカホリックには、このような特徴がありますが、ワーカホリックは体調への影響や人間関係への影響、定年後の生活への影響などを考えるとほどほどにしておいた方がよいものといえるでしょう。
ワーカホリックにならないためには、きちんと休むこと、仕事以外で生きがいや趣味を見つけることなどが重要です。
ペットを飼うのも効果が期待できる、と言われています。
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