「○○と申します。出自は商家ですが・・・」
といった文章を読んでみて、気になる「出自」という言葉。
これは「でじ?」と読むのか、はたまた「しゅつじ?」と読むのか、ここでは、出自の意味と、その使い方について紹介します。
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出自の意味と使い方
出自とは「でじ」ではなく、「しゅつじ」と読みます。
意味
出自の意味は、ざっくり言えば、人の生まれや出所のことを意味します。
ブリタニカ国際大百科事典では、
「親子関係の世代的連鎖に基づく特定祖先への系統的帰属」
と、難解な表現で説明されています。
これは、社会的に親子と認められた関係を表し、血縁であるかどうかは問われません。
また、血縁があるからといって親子と認められない場合もあります。
加えて、父の系統を追うか、母の系統を追うかで自ずと内容も違ってきます。
つまり、個人が親を通じて特定の祖先の系譜につながり、特定の集団やカテゴリーに所属していることをいいます。
これらは特定の場合を除き、「出生」とほぼ同時にカテゴライズされ、子から孫へと代々引き継がれていきます。
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使い方
■出自を述べる
使い方の具体例を挙げますと、
「選挙に出馬するのだから、ここはぜひ、出自を明らかにして欲しいものだ」
「私の出自を述べますと、父方はアイルランドの貧しい靴職人の家系であり、祖父の代にアメリカへ移住しました」
など、「出自を述べる」と宣言した使い方もありますが、
■意味合いを明らかにする
「私は日本で生まれ育って国籍も日本ですが、父はもともと台湾人であり、戦後日本へ帰化しました」
のように、あえてその言葉を用いなくても、意味合いを明らかにする使い方ができます。
■血縁関係を持たない場合
また、血縁関係を持たない場合でも、
「私は孤児ですが、幼い頃に土佐藩にお抱えの医師の家系に養子として迎えられ、医師になるべく育てられました」
というように、血縁とは無関係ながら、集団や系譜を引き継いだものを表します。
出自とは
つまり、出自とは先祖が生まれ育ち、培った環境(国、民族、家、家系、職業)など、自分につながる系譜のことを言います。
そしてそれは、自分では変えようもない「家系の歴史」とも言い替えることができるでしょう。
家族以外、一人ひとりが違ったバックグラウンドを持っていますから、そこに興味を持って調べてみることで、自身のアイデンティティ(国・民族・組織などへの帰属意識)が強まることもあるでしょう。
人に対して尋ねる前に、自身についてもよく知っておくと良いかもしれません。
出自は人だけではなく物についても使われる
また、人だけではなく、物についても
「この木工細工の出自は、信州は木曽の山奥です」
のように、出所を示す時に使われます。
最後に
よく似た言葉で『出身』がありますが、出所を表すのは共通していますが、その出所は広義で使われ、学校、会社、職業なども含まれます。
その為、生まれた後から備わった地位や立場なども加えられてしまいます。
この二つを区別するには、「自分が生まれた場所・背負った系譜」であるかどうか、というところに着目するとよいでしょう。
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