何かを頼まれた人がその依頼を快諾したときは、「あの人は二つ返事で引き受けてくれた」という言い方をします。
この言葉を聞いたり、見たりしたことがある人も多いのではないでしょうか。
その一方で、「一つ返事」という言い方も耳にしたことがある人がいるかもしれません。
このふたつの言葉は、そもそもどういう意味があるのでしょうか。
そして、その使い方は正しいのでしょうか。
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二つ返事、一つ返事の意味と使い方
二つ返事の意味
二つ返事には、「ハイハイ」とふたつ重ねて返事をすることと、気持ちよく快諾すること、このふたつの意味があります。
何か頼まれた時、それがぜひ引き受けたいような内容でしたら、前のめりに「はい、はい、やります」と答えることがありますね。
この気持ちよく快諾するという意味は、そこから来ているのでしょう。
使い方
例として、
■「──で誘いに応じてくれた」
■「願ってもいないお願いだったので、──で飛びついた」
■「はい!大丈夫です!」 って──してしまった。
■「すいません!急なんですがこれもお願いできませんか?」っていわれたとき──できる人間になりたいです。
といった使い方をします。
しかし、この言葉は、使い方に少々注意が必要です。
幼いころ、親に何か頼まれた時に「ハイハイ」あるいは「うんうん」と返事して、「返事は一回でしなさい」と注意された経験がある人もいるのではないでしょうか。
これは、「ハイハイ」という返事は失礼だとか、マナー違反と感じる風潮、考え方があるためです。
仕事での二つ返事の仕方
例えば、仕事などで何かお願いされた時は、「はい」と一回はっきりと返事をするべきと考えられています。
やる気があるあまり「ハイハイ、やります」などと返事すると、聞き手に軽薄な印象を与えかねません。
目上に当たる人に何かを頼まれた時は、「ハイハイ」と返事することはやめましょう。
ただし、「はい、わかりました」「はい、承知しました」といった、承諾を違う言葉で言い表している返事は、丁寧で良い印象になります。
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一つ返事の意味
一つ返事という言葉は、近年よく耳にするようになりましたが、実は本来の日本語には存在していなかったものです。
この言葉は、ハイを二つ重ねることが良くない、という考えから生まれた「誤用」であると考えられます。
しかしながら、この言葉は近年広まっており、文化庁が毎年行っている『国語に関する世論調査』の平成23年度版では、「快く承諾すること」という意味をもつ言葉として、実に46.4%の人が「一つ返事」と答えています。
そう回答した人の多くは、二つ返事を「軽く受け流す返事」など、いい加減に返事するという意味合いの使い方をすると考えていました。
その対義語として、一つ返事が「快く承諾する場合に使う」ものとして選ばれているようです。
また、50代以上においては、「一つ返事」を使うという人の割合が高いとされ、20代~40代では,本来の「二つ返事」を使う割合が高いようです。
使い方
一つ返事の使い方としましては、ネットなどでは下記のように使用されています。
■「──で賛同する」
■「深く考えずに──で・・・」
■「私に──でついてきてくれる彼」
■「──でOKもらいました」
■「──で行きます」
■「──で快諾してくれた」
最後に
二つ返事は本来の言い方、一つ返事は誤用ですが、多くの人が「一つ返事」という言い方を「快く承諾する場合に使うもの」と思っているのです。
ですので、本来の言い方で使ってもこちらが恥をかく、ということもあるかもしれません。
特に年配者とのやりとりでは、二つ返事、一つ返事、どちらの言葉を使うか悩みます。
大事な場面ではどちらも使わない、ということも考えるべきかもしれませんね。
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