安全標語(工場・製造業・建設業)は、自治体や企業が募集します。
この場合、職場などで作るよう言われることが多いかと思います。
趣旨としては、安全意識の高揚と安全活動の強化にあります。
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安全標語とは
安全標語の「安全」とは、一般には危険やリスク、ケガなどの不安のないこと、あるいは物の盗難、破損などの心配のないことを言います。
ブリタニカ事典には、
安全とは元来,危険や災害などによってそこなわれるおそれがない安らかな状態をいうが,生活環境が複雑化し,予測しがたいさまざまな危険性の内在している今日,安全が積極的な行動の目標として重要な意味をもちつつある。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
と記されています。
全国安全週間と年末年始無災害運動
安全標語に関する行事としては、「全国安全週間」が挙げられます。
全国安全週間は、毎年7月に行われます(7月1~7月7日)。
この週間の目的としては、安全に対する職場の意識を高め、安全活動の定着を図ることが狙いであり、同時に自主的な労働災害防止活動の実施を促すためのものでもあります。
また「年末年始無災害運動」という、年末年始に行われる運動もあります。
こちらは、12月15日~1月15日まで行われます。
どちらも、政府や中央労働災害防止協会の主唱により実施され、その活動の一環として安全標語は募集されます。
テーマ
安全標語と簡単にいっても、そのテーマは非常に広いです。
大きく分けてみると安全標語には、
「交通」:交通安全
「食」:
に関するものがあります。
ここでは、「仕事・労働」に関連する「工場・製造業・建設業」をテーマとしているのでこちらについて紹介します。
工場・製造業・建設業
まず、工場・製造業・建設業がテーマの安全標語の場合には、例えば、社内であらかじめ詳しい内容や趣旨が決められている場合があります。
その場合にはそれに従ったテーマで良いのですが、ただ、何も詳しい内容が決められていないこともあります。
そうした場合には、例えば、工場・製造業なら
- 機械設備による事故
- 転倒事故
が多いことから、こうした労働災害の防止をテーマにすることができます。
建設業の場合も同様に
- 墜落・転落災害の事故(屋根からの転落など)
- 建設機械やクレーンの事故
- 倒壊や崩壊災害の事故(建築物など)
が多いと言われていますので、こうしたことをテーマにするのが良いでしょう。
ただ、全国安全週間などの~週間として、社内で募集している場合には「全国安全週間」の趣旨やテーマに沿う必要があります。
安全標語の一例と作り方【工場・製造業・建設業】
では、ここでは実際に標語を作ってみます。
標語の作成が苦手な方でも、簡単に作れる作り方を紹介します。
作り方
①まず安全標語の作成には、テーマに沿ったキーワードが必要です。
なので自分でワードを考えたり、過去の作品を参考に標語のキーワードを集めます。
②次の作業としては、集めたワードの分解と整理です。
基本的に標語やスローガンというのは、「上の句、中の句、下の句」の3つからできています。
ここでは集めたワードを、そのまま使用しても良いですし、分解したり組み合わせたりしても良いので「上の句、中の句、下の句」の3つに分けます。
③最後は、これらのキーワードを5・7・5形式の17音になるように調整したり、声に出して句の響き具合の確認を行います。
この作業が終われば標語が完成します。
作り方がよくわからないという方は、過去の作品を見てみると分かりやすいです。
全国安全週間スローガン
- 安全は 家族の願い 企業の礎 創ろう元気な日本!
- ルールを守る安全職場 みんなで目指すゼロ災害
- 高めよう 一人ひとりの安全意識 みんなの力でゼロ災害
- みんなでつなぎ 高まる意識 達成しようゼロ災害
- 危険見つけてみんなで改善 意識高めて安全職場
出典:中央労働災害防止協会
- ワードの例(上の句):安全は、ルールを守る安全職場、高めよう、みんなでつなぎ、危険見つけてみんなで改善
- ワードの例(中の句):家族の願い 企業の礎、一人ひとりの安全意識、高まる意識
- ワードの例(下の句):創ろう元気な日本!、みんなで目指すゼロ災害、みんなの力でゼロ災害、達成しようゼロ災害、意識高めて安全職場
標語(スローガン)は、このように様々なキーワードを組み合わせてできています。
この作成方法を参考にして、標語を作ってみてください。
標語とスローガン
上記では、「全国安全週間」の際に募集されたスローガンを載せています。
このスローガンを見てみると、先ほど説明した5・7・5形式の作品が見当たりません。
スローガンとなると少し標語よりも、文字数が多くなるようです。
だからといって「標語だから」「スローガンだから」と無理に5・7・5形式で作ったり、だらだらと長くなる句を作成する必要はありません。
標語(スローガン)の作成の際には、字余りなどの17音以上になる句や17音以下の字足らずになる句でも大丈夫です。
ただ、一般的には5・7・5の17音で作る句は「響きが良い」と言われているので、5・7・5形式で作ることを募集側があらかじめ決めていることもありますし、進めてもいます。
ポイントとコツ
安全標語を職場である工場(製造業)あるいは、建設業の方が作成する場合には、やはり安全標語のテーマである趣旨が何なのかをはっきりさせることが大事です。
ポスターなどが職場に掲示してある場合には、その内容を確認して趣旨を外さないように作ります。
例えば、テーマが「全国安全週間のスローガン」となっている場合には、
- 安全に対する職場の意識を高める
- 安全活動の定着を図る
- 自主的な労働災害防止活動の実施を促す
などのテーマで標語を作らなければなりません。
「全国安全週間スローガン」の過去の作品を見てみるとその多くは、広い視野でなるべく具体的な内容、言葉を避ける作品が多いです。
一方で、テーマが「工場・製造業・建設業」の場合や、工場(製造業)あるいは建設業の方が作成する標語には、より具体的なキーワードが出てきます。
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工場・製造業
工場・製造業では、機械設備の事故が多いことから「はさみこみ」「巻き込まれ」「保護具」「手を出すな」などのキーワードの使用が見られます。
その他には、転倒事故を防止するためのキーワードの使用も多いです。
「濡れた床」「足元」「転倒防止」などです。
工場・製造業
- 作業前 いったん手を止め 確認ヨシ!
- 一瞬の 気持ちのゆるみが 事故のもと
- 身を守る 保護具をつけて 安全作業
企業名: 日東アリマン(株)
出典:厚生労働省
- あ・わ・て・る・な 心にゆとり 安全を!
- 一大事 危険予知して 一安心
- 「ヒヤリハット」かくすより みんなに知らせる 思いやり
- 足元を 必ず確認 転倒防止
出典:アズビル京都株式会社
建設業
建設業の場合には、転落災害等が多いことから「足元注意」「通路」「濡れた床」「高所作業」「安全歩行」「安全帯」などのキーワードの使用が見られます。
また、例えば「トンネル建設工事の安全性」という具体的なテーマがある場合には、
「トンネル工事」や「坑内」という、より具体的なキーワードを使用して作成する場合が多いです。
建設業
- 「アンタ無事で帰ってね」 アタシャいいけど 犬が哭く
- 事故を呼ぶ 近道・手抜き・ルール無視
- 危険予知 みんなで確認 ゼロ災害
出典:河井建設工業ブログ
- みんなで目指す ゼロ災害 進む切羽に 輝く未来
- 慣れた頃 危険が顔出す トンネル工事
- 整理整頓、狭い坑内広くして、安全作業の第一歩
安全標語のキーワードの一例【工場・製造業・建設業】
ここでは、ア行~ワ行のキーワードの一例を紹介します。
ア行
安全職場、安心、安全、安全第一、明るい職場、あせらず、明日から、安全ロック、危ないぞ!、安全帯、焦ったところで
意識して、今やろう、いつまで続く、命は一つ、命取り、命ある、異常事態に、いつもと違う、一瞬の、急がない、いたわり合い
うまくいかない、上から下から、動き始めは、運転中
笑顔で迎える、笑顔が一番、エラーです、エラーない
大きな声で、怠ると、教えてもらう、お決まりの、起きてからでは、お互いさま、思いやり
カ行
確認作業、改善策、快適職場、考えて、家族の笑顔、過信が招く、確実に、稼働前、変わらない
危険個所、危険な作業、危険です!、危険予知、気を抜くと、気づかない、基本動作、基本です、気を配り、機械、急ピッチ、厳しい言葉
工夫して、靴ひもしめて
ケガ、ケガするぞ!、現場では
声かけて、声かけで、心に、行動に、コンセント、心がけ、高所作業、困り物、困ったときは、工場、後悔するぞ、工具の点検
サ行
再確認、作業改善、作業開始、作業環境、作業前、させません、させない、作業者、支え合い、最優先
しっかり確認、自主的に、事故、事故招く、事故防止、自分で守る、初心、自覚して、邪魔になるもの、障害物、就業前、職場の仲間、習慣化、しない、自分じゃなくても、時間がない
すぐにやる、少しだけ、少しの間、少しの違い、スイッチOFF、遂行します
ゼロ災害、全員参加、世界に発信、設備管理、清掃方法、責任感、責任者、整理整頓、正確に
相談しよう、その目で見て、その一言が、その油断
タ行
高める意識、第一歩、大丈夫、助け合い、誰かやる、妥協許さぬ、頼るな
誓います、近づくな!、注意する、小さな変化が
積み重ね、つまづく、通路を遮る、ついうっかり、続ける、強い心
電源落とす、停止して、手抜きして、手を出すな
取り組む姿勢を、トラブル回避、止まらない、動力源、動作確認
ナ行
慣れた作業、仲間に、なくそう危険、なれ合いで
年末年始無災害
ハ行
はさまれた、はさみこみ、話し合う
ピンチに、一人一人の、人に頼るな、ひやりと、一呼吸、一言で
不注意で、防ごう
ヘルメット
保護具、誇り
マ行
任せるな、周り見て、守るんだ、マンネリ化
みんなで改善、みんなで守る、みんなで目指す、見逃すな、ミス
無災害、無理せず、無事故
めんどくさい、目配り
もう一度、もう一回、もう遅い
ヤ行
やってくる
ゆく年くる年、ゆとりから、油断せず、指差し、指差呼称、ゆっくりと
よそ見して、予測して、よかったです
ラ行
落下物
ルールを守り
労働災害
ワ行
忘れてた、わかってます、忘れ物、我が社の
最後に
以上、工場・製造業・建設業における安全標語の作り方の一例と、キーワードの一例を紹介してきました。
安全標語【工場・製造業・建設業】作成の際には、参考にしてみてください。
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