交通安全標語は、自治体、企業、全日本交通安全協会などが募集します。
趣旨としては、交通安全に対する意識を高め、それによる交通事故防止を目的としています。
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交通安全標語とは
交通安全標語の「交通安全」とは、ウィキペディアによると
交通安全(こうつうあんぜん)とは、乗り物単体や同士、乗り物と人などが事故を起こさず安心して往来することを指す言葉で交通事故防止の言い換え。また、その心掛けや取り組み。対自動車や自転車など陸上の交通の他、航空や海上での交通に対しても用いられる言葉である。
単に交通安全といった場合、多くは道路上における自動車や自転車による交通事故に巻き込まれない、若しくは起こさないための意識を指して用いられる。広義には当然のことながら、鉄道や路面電車など自動車が関係しない交通もこの中に含まれる。
出典:ウィキペディア
と記されています。
交通安全国民運動中央大会と全国交通安全運動(春季・秋季)
交通安全標語に関する行事としては、交通安全国民運動中央大会と全国交通安全運動(春季・秋季)が挙げられます。
「交通安全国民運動中央大会」は、毎年1月に行われ、皇太子殿下や政府の関係者が集まって交通に関する表彰などが行われます。
また、大会前日にはその年に行われる国民運動でなにを促進するかなども話し合われます。
そして、春の4月6日~4月15日の10日間と秋の9月21日~9月30日の10日間の間は「全国交通安全運動」として定められています。
この運動の目的としては、交通安全思想の普及と浸透、活動期間中の交通事故の低減(交通事故防止)などが目的となっていて、交通対策本部(政府)が中心となってこの運動は実施されます。
活動期間中は、4月10日と9月30日が「交通事故死ゼロを目指す日」として定められています。
その他にも自治体などが行う、「交通安全週間」があります。
こちらは全国交通安全運動などの行事に合わせて行われ、重大事件の発生時にも行われることから不定期に行われることが多いです。
交通安全標語(交通安全年間スローガン)は、これらの活動、運動の一環として募集されます。
テーマ
交通安全標語のテーマとしては、大きく分けると3つです。
①運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの【一般部門】
②歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの【一般部門】
③小・中学生以下へ交通安全を呼びかけるもの【こども部門】
これは「交通安全年間スローガン」の募集事項でもあります。
また、これらのテーマには、それぞれに「重点テーマ」が掲げられています。
①の運転者なら
- 交通ルールの遵守と運転マナーの向上(高齢者、子供、障害者等への思いやり運転など)
- 飲酒運転の根絶
- 後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用
- 夕暮れ時の早め点灯の促進
②の歩行者・自転車利用者なら
- 高齢者の交通安全(正しい横断など)
- 自転車の安全利用の推進(自転車安全利用五則の徹底など)
- 夕暮れ時、夜間の交通事故防止(反射材用品の活用など)
③の小・中学生以下には、重点テーマはなしとなっています。
重点テーマ
この重点テーマは「秋の全国交通安全運動」における重点テーマでもあります。
そのため、この重点テーマには
- 夕暮れ時の早め点灯の促進
- 夕暮れ時、夜間の交通事故防止(反射材用品の活用など)
の秋特有の重点テーマが入っています。
なので「春の全国交通安全運動」時には、この項目が異なることになります。
職場や学校
また職場や学校などで作成する場合には、少し趣旨が異なります。
例えば、職場では「安全運転」や「交通事故防止」「交通労働災害の防止」がテーマになることが多いです。
学校では、健全育成事業の一環として生徒に交通安全を考えるいい機会にしてもらおうと募集されていて、「命の大切さ」をテーマにしたものが多いです。
その他「交通安全週間」などの「~週間」として自治体が募集する際には、独自のテーマが掲げられている場合があり、募集事項の確認が必要です。
例えば、自治体などでは、
- 高齢の部
- 一般の部
- 子供の部
といった区分けがされていたりします。
交通安全標語の一例と作り方
では、ここでは実際に標語を作ってみます。
標語の作成が苦手な方でも、簡単に作れる作り方を紹介します。
作り方
①交通安全標語の作成には、まずテーマやコンセプトに沿ったキーワードが必要になります。
なので、まずはキーワードを集める作業を行います(キーワードは自分で考えるのも良いですし、過去の作品を見て参考にしても良いです)。
②ワードを集めたら次の作業としては、収集したワードの整理です。
「上・中・下」に当てはまる語句を「上・中・下」の句ごとに分けます。
③最後の作業は、「上・中・下」に分けられたワードを5・7・5形式の17音になるよう調整しながら、ワードを組み合わせていきます。
以上で標語作成の作業は終わりです。
「作成の仕方がわかりにくい」という方は、過去の作品を見てみると分かりやすいです。
交通安全年間スローガン
運転者向け
- 抱っこより 深い愛情 チャイルドシート
- 『ム』チャするな 『ジ』カンにゆとり 『コ』コロのよゆう
- 気のゆるみ 一杯だけが 命とり
歩行者・自転車向け
- 身につけよう 命のお守り 反射材
- まだ行ける 渡れそうでも 待つゆとり
- 傘・スマホ 片手運転 事故のもと
こども部門
- ペダルこぐ 免許はないけど ドライバー
- わたろうか 迷う気持ちは 赤信号
- 交通ルール まもれるぼくは 金メダル
出典:毎日新聞社
- ワードの例(上の句):抱っこより、『ム』チャするな、気のゆるみ、身につけよう、まだ行ける、傘・スマホ、ペダルこぐ、わたろうか、交通ルール
- ワードの例(中の句):深い愛情、『ジ』カンにゆとり、一杯だけが、命のお守り、渡れそうでも、片手運転、免許はないけど、迷う気持ちは、まもれるぼくは
- ワードの例(下の句):チャイルドシート、『コ』コロのよゆう、命とり、反射材、待つゆとり、事故のもと、ドライバー、赤信号、金メダル
このように、標語はキーワードの組み替えにより余り悩まずに作成することができます。
注意点
標語(スローガン)の作成時における注意点としては、「5・7・5形式の17音で必ず作らなければいけない」というルールはないので、字余りや字足らずになっても支障はありません。
ただし、主催者側で事前に決められている(575形式で)、ということもありますのでその際にはそのルールに沿って標語を作成します。
ポイントとコツ
交通安全標語は一般的には、口ずさみやすいリズムのものが多いと言えます。
一度聞いただけで覚えてしまうようなリズミカルな流れの標語も多く、コンテストにおいても、聞いたときにインパクトを感じるものが選ばれている傾向があります。
運転者向け
実際「交通安全年間スローガン」において一般の大人の方が作る場合には、運転者向けに作ることが多いかと思います。
特に車を運転される方だと、運転者の目線も加わり
- よそ見運転
- 飲酒
などが取り上げられることが多くなります。
- 抱っこより 深い愛情 チャイルドシート
またこちらの句に出てくる「チャイルドシート」というキーワードは、毎年とはいきませんが高い確率で表彰される句に、この語句が入っています。
なので、
後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用
の重点テーマを趣旨にして、標語を作成すると評価されやすい作品が作れるかもしれません。
歩行者・自転車向け
歩行者と自転車向けの作品には、現代社会を反映したワードの使用が多く見られます。
例えば、スマホです。
「歩きスマホ」などの「ながらスマホ」がキーワードとしてあがっています。
- 傘・スマホ 片手運転 事故のもと
その他には「反射材」のワード、早めの点灯(自転車)などを呼びかける句も多いです。
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小学生・中学生(学校)
交通安全標語は、現在小学生や中学生からも応募を募っています。
小学生、中学生の場合には、日頃車を運転する機会がなく、徒歩が中心になります。
なので、歩く側からの目線で「交通安全標語」を考案出来るという特徴があります。
小学生は、初めて一人で道路を横断する、といった状況も多いです。
そのため、小学生の使用するキーワードとして頻繁に登場するのは、「横断歩道」に関するものが多くなっています。
- 横断歩道
- ヘルメット
- 信号
- とびだすな
などです。
このようなキーワードの選び方から、小学生は普段目にする機会の多いものに注目しているのが分かります。
中学生になると、
- マナー(イヤホン・スマホ)
- 飲酒運転
などのキーワードが使用されるようになり、若干雰囲気は変わってきます。
- イアホンを 外して聴いて 町の声
- 気を抜くと 後ろにすぐいる 事故の影
- こないだろう そんな気持ちが 事故を生む
- 夕ぐれに 光でしらせる ぼくたちを
出典:桜区PTA連合会
- みぎひだり ぜったいみよう わたるまえ
- こうつうじこ かぞくがかなしむ とびだすな
- 信号は 未来へつづく 道あんない
- 目をむけて 点滅してる 君のため
職場
職場で標語を作成する場合には、安全週間の一環として安全標語と一緒に募集することが多いと思います。
なので、「全国安全交通運動」の趣旨とは若干違います。
過去の作品を見てみても、チャイルドシートの正しい着用などを訴える句などは出てきません。
「安全運転」や「交通事故防止」「交通労働災害の防止」をテーマとしたものが多いです。
もともと交通安全標語には、交通事故を防止しようとする目的があります。
そして今現在、交通事故発生件数、死傷者数は年々減少しています。
その中で、シチュエーション別に見てみますと、交通事故死者数は歩行中の方の事故が極めて高く、次に自動車乗車中の事故となっています。(平成25年)
職場で標語を作る際には、歩行者や自動車のドライバーの目線に立ち、標語を作ることがポイントとなります。
そして、交通の決まりは必ず守る、などの当たり前のことをもう一度意識させることも大切で、それが一人一人のモラルを高めることに繋がり、事故を減らすことにもなります。
- 急ぐ時、一番近道“安全運転”
- 安心は心のゆとりと 車間距離
- 過信せず、心にいつも 初心者マーク
- 慣れた道でも危険が潜む 危険予知して安全運転
出典:㈱川島組営業部
交通労働災害の防止
- しないさせない過労運転 荷主と協力 ゆとりの運行
- 荷主と協力ゆとり運行 守ります労働時間と安全運転
- 時間のゆとりは心のゆとり 余裕を持って安全運転
- 急がなきゃ そんな心にブレーキを ゆとりの運転 事故防止
交通安全標語のキーワードと一例
ここでは、ア行~ワ行のキーワードの一例を紹介します。
ア行
あぶないよ、あせらない、アクセルを、安全は、安心は、青信号、赤信号、あなたから、安全確認、ありがとう、あまい考え、歩きスマホで
急がずに、一生が、一歩前、命とり、いつも危険を、いつものように、一時停止を、一旦止まろう、命は一つ、飲酒事故
運転手、運転者、運転免許、運転中、薄暗い
エンジン音
横断歩道、おうだんは、起こす事故、大きくあげて、思いやり、おしゃべりして、音が鳴る
カ行
確認事項、確認は、傘忘れ、かけるな電話、軽い気持ちで、駆け込む
黄色信号、危険が、気をつけて、気づくこと、急ブレーキ、きのゆるみ、規則を破り、決まり事、絆、聞こえてない、危険予知、危険な作業
車社会、車が見えない、車が止まるだろう、繰り返し
ケガはない、警察に、携帯電話
交差点、工事中、こないだろう、子供の将来、交通ルール、交通事故、交通安全、高齢者、心に刻む、断る勇気、声かけて
サ行
左右確認、避けられない、避けるだろう、ささやいた、サイドミラー
シートベルト、事故起こし、事故現場、事故防止、事故のもと、信号無視、信号待ち、自転車通勤、自転車が!、車間距離、重要事項、視界が悪い
スピードを、勧めたあなたは、少しだけ、すいません、スマホ画面、スマホ見ず
誠実に、世界、せまい道
その気持ち、そこまでは、そんなに急ぐと、それまでは、それくらい、それじゃだめ
タ行
確かめよう、確かめろ、大丈夫、大変だ、大事な命、出しすぎた
ちょっと待って、ちょっとした油断が、注意する、駐車場、チャイルドシート、着信音
つけるだろう、つけようよ、次の信号、次の道、疲れてた
手をつなぎ、停止位置、手をあげよう、出合い頭
止まるだろう、止まらない、飛び出して、飛び出す子供、飛び出す危険、登下校、道路のおしゃべり、道路を渡り、同乗者、どうせばれない、道路では
ナ行
慣れた道、なぁなぁで、仲間同士で
荷台に荷物、荷物が邪魔で、認識不足
抜かれても、抜かさない
眠い時、眠いなら、ねぇちゃんと、姉さんが
のろのろ運転、飲んだ後、飲んでいた、飲みません、乗る側も、乗らない乗らせない、飲み会
ハ行
早めに点灯、反射材、ハンドル操作、パパやめて、はじめて
一人一人が
2人乗り、踏む
ヘルメット
歩行者優先、ぼんやりと
マ行
まぁいいか、まだいける、周り見て、曲がり角、マナーモード、待ちます、待ちましょう、前を見て、ママやめて、周りの危険
身に付けよう、右見て左見て、見えている、見えない景色、見えぬ視覚、みんなで守る
無視するな、無理しすぎ、無事故
メールして、迷惑を、迷惑です
モラルの低下、もうこない
ヤ行
夜間の運転、優しい運転
許さない、夕暮れ時、優先順位、ゆずりあい、油断せず
余裕持ち、用心して、用心棒、よそ見してたら
ラ行
ライトつけ
理由にならないぞ
ルール無視、ルール違反
ワ行
渡れそう、わき見運転、私見て、私たち、分かれ道、渡ってわかる、わたっちゃえ
最後に
以上、交通安全標語の作り方の一例と、キーワードの一例を紹介してきました。
交通安全標語作成の際には、参考にしてみてください。
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