知的障害とは、高齢者の痴呆や認知症とは異なり、脳機能の障害を伴う理解・思考・記憶などの認識能力に遅れが見られる知的障害となります。
また、発達障害とも異なります。
おおむね18歳までの成長期に、知的障害である診断がなされるケースが大半となります。
ここでは、知的障害者施設の職員として働くための心構えなどについて紹介します。
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目次です。
知的障害者施設の仕事
知的障害者施設で仕事をするために、特別な資格や経験は必要ありません。
資格・経験不問という求人も多いのが現状です。
しかし、知的障害者のサポートを行なう仕事となりますので、社会福祉士などの資格があると、基本的な知識を有していますので、より必要とされるサポートを行うことが可能となります。
施設について
知的障害者施設では、施設によっては、医師や看護師、カウンセラー、栄養士、調理師、生活支援員、作業支援員など、さまざまな職種の人が働いています。
知的障害者施設と一口でいっても、
知的障害デイサービスセンター・知的障害者更生施設・知的障害者授産施設・知的障害者通勤寮・知的障害者福祉ホーム
という5つの施設が存在しています。
いずれも障害者の人が地域・社会の中で自立して活動することができるように、サポートをする場所であるということは共通しています。
求める人材について
知的障害者とかかわる仕事は、洞察力や理解力、柔軟さ、辛抱強さが問われる職種となります。
知的障害を持つ子供の成長は遅いという特徴があるのですが、身体の成長に伴って、18歳を超えれば大人としての人格を有するようになります。
職員も人間ですので、知的障害者の方と感情のぶつかり合いが生じる場面も少なくありません。
人として尊重すべき関わり方をすることが基本であり、十分認識して職員は誰しも働いているのですが、限界を超えたり葛藤を抱えてしまい、自分自身が精神を病んでしまって辞めていかれる方も存在しています。
前述しましたように、資格や経験がない方でも知的障害者施設で働くことは可能です。
問われるのは、コミュニケーションスキルと明るさとなります。
責任のある仕事なのですが、その分やりがいを感じることができるのが知的障害者の支援施設での仕事となります。
施設で働きながら、ヘルパー2級の資格をとったり、介護福祉士の資格を取得される方もいらっしゃいます。
知的障害者の施設は、介護というよりも支援という色合いが濃く、身体障害者の施設のように寝たきりの人はいませんので、体力が要求されるということはそれほどありません。
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知的障害者施設の仕事は辛い
前途しましたように、知的障害者施設では未経験者でも働くことが可能となっています。
また福祉業界(障害者支援事業)はその仕事内容から、人材不足が課題とされています。
採用が決まったとしても、3年も持たずに1年未満で辞めていく人が多く、入れ替わりが激しい職場です。
その為、正社員として雇ってもらえることが多いメリットもあります。
田舎から都会に出たい為に障害者施設に就職したAさん
どんな仕事もそうですが、「就職先がないから適当に選んだ」と言った安易な考えで障害者施設に就職することはおすすめしません。
実際、田舎から都会に出たい、といった安易な考えで知的障害者施設で働くことを決めた、筆者の知り合いのAさんは介護よりも楽なのではと思って決めたと語っていました。
しかしながら、その数ヶ月後には「もう辞めたい、もう嫌だ」などと弱音を吐く始末です。
それから1年も経たずに辞めてしまいました。
今は地元で就職活動中だそうです。
就職活動中にハローワークなどで知的障害者施設の仕事を見つけ、介護よりは楽なのではと思って就職を決める、これがAさんの就職に失敗した原因です。
Aさんは知的障害者の方についての知識が全くなかったのです。
知的障害について
障害者には、身体障害者、知的障害者、精神障害者に大きく分けられます。
その中で知的障害者の方は、5歳児程度の頭脳しか持ち合わせていないとまで言われています。
象徴的なこと、様々なことを考えることができない、時間を認知できない、物の色や形と言ったことが認知できない、など人によってその症状は様々です。
施設でのトラブル
従って施設では、故意ではないにせよ、トイレを詰まらせたり、物を壊したり、そうしたトラブルは頻繁に起きます。
その後の汚物の処理はもちろん、清掃作業も職員がしなければなりません。
汚れ仕事も多く、潔癖症の方やきれい好きな方には内容的に無理な場合もあります。
知的障害者の人は簡単なことがわからないことも多く、「こんなこともわからないの!」と怒鳴る職員の方もいます。
言うことを聞かないと言ったこともあり、イライラすることも多いです。
また、奇声をあげる、職員に暴れて危害を加えるといったこともあります。
最後に
就職を決める際には面接でしっかりと施設の障害者の方の状態を聞く、そして仕事の内容を理解した上で、それでもやりたいといった強い気持ちが必要です。
高齢者介護のように、寝たきりの方をベットから起こしたり持ちあげるなどの行為がないために、腰を痛めることが少ないとも言われています。
ただ、知的障害者施設の場合、肉体的にもそうなのですが、一番は精神的にまいってしまう方が多いように思います。
わからないことがわからないのも辛く、いくら尽くしても報われないと言ったこともあり、辞めていく方が多いのが現実です。
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