「ナマズが暴れると地震が起こる」と昔からよく言われており、江戸時代末期にはナマズとの関連が周知の事実となっていました。
確かに動物の異常行動と地震の発生には関連があります。
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異常行動の原因
一般的に、動物を刺激する要因は、
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・温度覚・痛覚・振動覚・平衡覚・電気覚
などが挙げられるのですが、動物が地震を予知して異常行動を起す要因としては、電界変動が最有力候補として考えられています。
そのほかの要因も複合的に絡み合って、動物は異常行動を起すというのが、現在の科学の見解となっています。
ナマズは電気感覚に優れているために地震予知が可能なのか
ナマズは特に電気に敏感であり、大学の研究機関においても「鯰の電気感覚に関する研究」が行われています。
その研究結果によると、ナマズにはほかの魚種にはない水中の微弱な電位差を、感知することができる能力が備わっているということが判明しました。
その感覚の鋭さは、人間の能力の100万倍ほどであり、特に1Hz~30Hz程度の低周波に敏感であることが報告されています。
具体的な例を挙げると、広い湖の中に乾電池を1個落した場合には、ナマズはそのことを数キロメートル離れていても感知することができるという研究結果が出ています。
このように電位に対して特異な体質を持っているがゆえに、地中の電気的な変化が発生した場合にも、行動が活発になるのではないかと報告がなされています。
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ウナギはナマズ(鯰)よりもさらに電気に過敏
また、鯰だけではなくウナギに関しても電気的な反応に関する実験を行った結果、実は鯰よりもさらにウナギの方が、電気的に敏感であるという結果が出ています。
この結果から、江戸時代に書かれた「安政見聞誌」を紐解くことができます。
鯰が暴れると地震が起こるといわれるようになったのは、安政江戸地震の記録を記した「安政見聞誌」の記述がはじまりのひとつだとされています。
その「安政見聞誌」には、
ウナギを釣りに行ったがウナギは釣れず、鯰が騒いでいたという記述があります。
この記述から読み取れることは、鯰はウナギよりも感知能力が劣っていたと言う事実です。
それ故に、多くの鯰が逃げ遅れ、そこを釣り人に釣られたのでしょう。
安政見聞誌に載るくらいですので、当時は相当数の鯰が暴れたのでしょう。
確かに、普段はおとなしい鯰が騒いでいるなんてことは、現代でも驚きますが、当時の人達にとっては非常に衝撃をうける出来事だったのかもしれません。
では何故、鯰は騒いでいたのかと言うと、それは、水源が枯れるのを恐れていたのではないでしょうか。
現代でも地震が起こると渇水が起こり、水源が枯れる現象が多く報告されています。
また、温泉、地下水を使用している施設などでは、地震の起こる前に水位の減少が確認されていると言った話もあります。
最後に
現在のところ、確実に科学的に証明されているわけではありませんが、鯰に代表されるように、動物たちが天災を予知して異常行動を起す、騒ぐという事実を否定するものも何もないのが現状です。
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