パンドラの箱という言葉、映画などでよく聞きますが実際、使うとなると難しい言葉の一つです。
映画では「あの箱は開けてはならない」とか、悪人が「パンドラの箱を開けてやる」などと言っていますが、パンドラの箱の意味が分からないと全く意味がわかりませんし使えません。
前後の文脈で何となく「悪いことなのかも知れない」と解釈できますが、具体的な意味はわかりません。
なのでここでは、パンドラの箱の具体的な意味と使い方について紹介します。
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パンドラの箱とは
「パンドラの箱」の由来
パンドラの箱とは、元々ギリシャ神話から来ている言葉です。
かつてゼウス(神)が女性を作り上げますが、その女性の名前はパンドラといいました。
彼女は地上に降りて暮らすことになりますが、その際、神々から多数の贈り物を受け取ります。
その中で、最後にゼウスがありとあらゆる物が入った箱を渡し、「決して開けてはいけない」と言って地上に送り出しました。
しかし、彼女は言いつけにそむいて箱を開けてしまいます。
彼女が開けた箱の中には、ありとあらゆる災厄(さいやく:不幸のこと)が入っていました。
災厄たち(混沌と争いの女神、破滅、非難、苦悩、眠り、夢、復讐、欺瞞、愛欲、老年、死の神など、他にも、犯罪、哀しみ、乏しさ、病気)は世界中に飛び散りましたが、「エルピス」という希望だけを箱の中に残したまま、彼女は箱を閉めました。
そして、人間は箱に希望だけが残ったことで、人間には希望がある、などの「希望説」、他にも6つの様々な説を考えました。
どうして、このような説が生まれたのかというと、古典ギリシャ語のエルピスが希望の他にも「予兆」や「期待」の意味を持っていたために、希望説の他にも様々な説が考えられたのではと思われます。
パンドラの箱の意味と使い方
パンドラの箱という言葉は、現在日本では「ブラックボックス」や、「玉手箱」と同義の意味で使用されていることが多い言葉となっています。
「ブラックボックス」は、中身がわからない不気味で恐怖感を覚えるものであり、誰も真似できないあるいは説明できないメカニズムの意味を持ちます。
「玉手箱」は、大切なもの、素晴らしいもの、秘密、などの意味を持ちます。
使い方
パンドラの箱という言葉を使用している人は、欧米の人が多く、日本でも徐々に使われつつあります。
例文として、以下のようなものが少なくありません。
- パンドラの箱を開けた:最悪の状態を引き起こしてしまった。
- 触れてはならないパンドラの箱:決して触れてはいけない災い。
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以上はあくまでも一例ですが、基本的な使われ方として「対処しようのない取り返しのつかない問題」という意味で使用されていることが多々あります。
箱を開いたままにしたら、災厄や苦労が次々と行き着く暇もないほどやってきて、己の身に危険が及ぶ場合も少なくありません。
現在抱えている問題に対して「これが~かもしれない」といった使い方も出来ますし、いつ開けてしまっているのかわからない、と考えている場合の使用例もあります。
使用方法は多岐にわたっていますが、基本的に口語として使用されることが多く、ビジネス用語としては使用しません。
ビジネスシーンで投資やプロジェクトで危険を感じる場合に、使用される可能性もあります。
ただ、ギリシャ神話は日本人よりも欧米のほうが馴染み深く、使用する比率としては圧倒的に欧米の人が多いです。
使用するときの注意点
日本ではあまりいい意味で使用されることが多くないため、使用する時には注意して使うことが大切です。
不用意な使い方では、相手に真意を伝えることが出来ず、かえって商談やプライベートな会話を楽しめなくなる可能性もあるといえます。
使う時には、相手に真意が伝わるような使い方こそ、何よりも大切です。
何かに注意や警告を与えるための説話として使用されることが多いので、状況やこれから先を正確に見据えるために、警鐘としても使えます。
最後に
以上、パンドラの箱の意味や使い方について紹介してきましたが、どうでしたか。
パンドラの箱は、それ自体が災いの象徴的なもので、箱を開けたら最悪の状態、という意味で現代では使用されています。
日常生活やビジネスシーンでは、箱を開けるような状況にだけは遭遇したくないものです。
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