近年ではパワハラが大きな社会問題になっています。
このパワハラは誰の身にも降りかかる可能性がありますので、決して人ごとではありません。
ですので自分の身を守るためにも、パワハラに関する知識を身につけておくことは重要なポイントになります。
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目次です。
パワハラの定義
パワハラとはパワーハラスメントの略で、職場において役職や権限を背景とした強い立場の者が、弱い立場の者に精神的、肉体的な苦痛を与えることを言います。
厚生労働省がワーキンググループなどを通して発表した定義では、次のように表現されています。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」です。
出典:厚生労働省
この定義では、職場内で優位な立場にあるものがパワハラの主体として示されています。
これは、単純に役職上の上司を指すだけでなく、先輩や同僚なども含まれます。
また、部下から上司への嫌がらせもパワハラに該当する可能性もあり、その場合は加害者が部下という形になります。
ただし、定義上はそれが担当業務の特定の範囲に収まるのであれば、そのことについて苦痛を抱いたとしてもパワハラには該当しません。
しかし、明らかに業務の範疇を超えている場合、何らかの対処を行う必要があります。
パワハラの対処法
具体的には、暴行や脅迫など明確に肉体的・精神的な苦痛を受けた場合や明らかに遂行不可能な命令を受けたりした場合です。
他にも能力に見合わない過小な仕事を強制されたり、プライバシーを侵害されたり、無視などで人間関係から切り離された場合も該当します。
厚生労働省の資料によるとこう示されています。
パワーハラスメントの行為類型として、以下のとおり示しています(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意して下さい)。
①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)出典:厚生労働省
正確に情報を得る
対処策としては、正確に情報を得ることです。
何がパワハラに該当するのか正しくその定義を理解し、自分の場合、どの部分が該当するのかをきちんと把握することが大事になります。
その上で、実際に苦痛を受けた発言の録音や、メモやメールなどの証拠を用意します。
その証拠を持って、まずは社内で相談できる部署や人事部などに相談するのが良いでしょう。
他に同じ被害を受けている方達と関係を密にしてくことも有益です。
それでも社内では解決のめどが立たない場合、社外へ相談することになります。
社外へ相談
相談先としては各都道府県に設けられた、労働局雇用均等室や労働基準監督署、NPO法人や弁護士などが考えられます。
他にも内容証明郵便を加害者に送り、行為を止めるように要求したりもできます。
それでも解決しない場合、刑事告訴や民事訴訟など、法的に対処することも可能です。
対処のコツ
これらの対処を円滑に進めるコツは、自分が受けた被害を筋道を立てて説明できるように情報を整理することです。
いつ、どこで、どういう行為を受けたのか、その回数や期間、行為を受けた時の自分の対応と加害者のリアクション、目撃者の有無などを纏めておくと役に立ちます。
更に、それらを証明できる証拠を揃えられれば、より効果的に対処を行うことができます。
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パワハラを回避する為には事例を把握する事が重要
前途しましたように、パワハラの定義とは
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
のことであり、これがパワハラの定義となります。
会社では上司と部下、先輩と後輩など力関係が存在しています。
この力関係で優位にある方が、下位の人物に対して不当な扱いを強いる事を指しています。
一般的に適正な範囲内であれば本人の力量以上の仕事を回さなかったり、逆に多少多めの仕事を頼んだりする事はあります。
しかしパワーハラスメントと呼ばれる場合は、謝罪時に土下座を強要したり、私的な用事を押し付けたりなど適正な範囲を大きく逸脱しています。
また、多くの場合は継続して行われます。
基本的に人間は、誰しもが怒られる事がありますが、その場限りであったり、たまたま機嫌が悪かったなど1回2回程度が一般的になっています。
しかし、パワーハラスメントの場合は、怒鳴ったり、侮辱したり、軽蔑などの攻撃が継続して行われます。
パワハラの事例
暴言
具体的な事例としては、暴言が挙げられます。
上司から存在が目ざわり、給料泥棒など暴言を吐かれたり、妻をバカにされたりなど業務とは関係のない場面で公然と侮辱されたと言うケースがあります。
この場合は裁判に発展し、結果として労災の認定が行われています。
いじめ
次の事例としては、いじめが挙げられます。
上司が複数人で一人に対して容姿をバカにしたり、果物ナイフで切り付ける真似をしたりなどした結果、被害者は自殺をしています。
行き過ぎた指導
次の事例としては、行き過ぎた指導が挙げられます。
作業上の不手際や申請書類の書き方などを何度もやり直しさせたり、反省文を繰り返し提出させたりなど、行き過ぎた指導が該当するケースがあります。
この場合は上司本人は指導のつもりなので、明確な悪意があるかどうかの判断は難しいとされていますが、裁判などに発展した場合はパワハラと判断される事が多くなっています。
名誉棄損
次に名誉棄損が挙げられます。
上司から退社を進める内容のメールが、本人とその周りの人物に送信されました。
このことを名誉棄損とし被害者が訴訟を起こして、一部主張が認められたケースがあります。
パワハラかどうか迷った時は動画の事例で確認しよう
パワハラは身体的な攻撃~精神的な攻撃と様々ですが、実際に自分がこのような状況に遭うと、人間ですので「まさか自分が」と思ってしまいます。
ですので、動画にて実際のシーンを確認することで、自分がパワハラをうけていないかどうかの判断をしてみることも大事です。
是非参考にしてみて下さい。
出典:あかるい職場応援団
最後に
このようにパワハラの事例には明確なものもあれば、判断が難しいものもあります。
ですので、まずは会社などにあるパワーハラスメント相談の部署などに相談をし、無い場合は組合などに相談する事が第一歩になると言えます。
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