「お前はだめだなぁ」とか「そんなことしたらダメでしょ」と、言われた経験はあるのではないでしょうか。
言う方からすれば、相手のためを思って何となく言ってしまったかもしれませんが、言われた方としてはとても不快です。
子供のためを思って叱っている、叱らないと伸びないじゃないか、と思っている親も多いかもしれません。
しかし、叱ることでどんどん子供は自信を無くしていってしまうのです。
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アメとムチ(飴と鞭)より、褒めて伸ばす方が良い場合もある
一般的な俗説
「アメとムチ(飴と鞭)」は、ドイツのビスマルクの政策を評した言葉ですが、一般的には、厳しさと優しさを巧みに使い分けるさまのことで、メリハリのことを指す場合もあります。
アメとムチは、相手を自分の意のままに操りたいときなどに、組織(会社の上司)などがよく使うことがあります。
部下に成長してもらいたい、という指導の一環で「アメとムチ」が使用されることもあります。
アメとムチは、いわゆる
- 成功したら報酬を与える
- 失敗したら罰を与える
といったものです。
普段は厳しく接し、たまに優しくしたりしてギャップを作ったりします。
職場では厳しい上司を演じて、プライベートではとても優しいとか。
上下関係の厳しい、体育会系的な指導を経験しながら育ってきた人は、社会に出ても「アメとムチ」で伸びていくことがあるかもしれません。
しかしそうした指導に慣れていなかったり、元々そうした指導が合わないタイプの人もいます。
そうなると厳しい指導にはついて行けず、挫折してしまうのです。
元々一定のレベルに達している人なら、ついていけるかもしれませんが、まだそうしたレベルに達していない人はついて行くことが難しくなってしまうのです。
なのでまずは、「楽しいものだ」ということを教えることも必要だと言われています(要するにムチなしです)。
アメとムチの指導を徹底したせいで、褒めて伸びるタイプの人を潰してしまう恐れもあるのです。
中には、ムチが多くても伸びるタイプもいますが、決して全員がそうだとは言い切れないのです。
叱り続けると効果がない
「アメとムチ(飴と鞭)」のムチ(叱ること)は、一時的には効果があるようです。
叱ることで、叱られた本人は次回から注意してくれますので、指導する立場にある人は「上手くいった」と思うことでしょう。
しかしながら、こうした叱るという行為を続けていくと、アメ(ご褒美)を与えても嬉しいとは思わなくなってしまいます。
不安を感じたり、自分のことを卑屈したりするなどとも言われています。
モチベーション
「アメとムチ(飴と鞭)」のアメ(ご褒美)による効果は、モチベーションを維持するのにとても大切なこととされています。
例えば、新しい業務に取り組む部下には、「頑張ったな!」「よくやったな!」などの励ましの言葉をかけてあげる、これだけで効果があるのです。
ただし、ムチが多すぎるとアメの効果は期待できなくなってしまうのです。
褒めて伸ばす
褒めて伸ばすのがなぜ良いのか、それは何かを新しく始める場合、そこには「恐怖心」があります。
しかしながら、相手から思いやられたりすることでその人の脳では、「オキシトシン(幸せ/愛情ホルモン)」という物質が分泌されると言われています。
オキシトシンは、人からの思いやりや愛情で分泌され、分泌されたオキシトシンによって恐怖心にも耐えることができるようなのです。
また、オキシトシンは幸せを感じるだけでもアップするそうなので、つまり、幸せではないと、新しいことに取り組むという恐怖心を克服できないのかもしれません。
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ミスをしても叱ってはいけない
仕事でミスをしてしまいその事を上司に報告したら、「このバカやろう」と人格を否定されたりなど、それ以降毎日のように怒られている、という人もいるのではないでしょうか。
このような上司による酷いムチは、実際には、効果がないケースが多いのです。
上司からしてみればムチを使って部下を成長させよう、としているのかもしれませんが、実はこの部下は上司から怒られることで、
「どうせ怒られるから、上司に報告はしたくない」と思ってしまい、自分で物事を勝手に進めたりしてしまい、また失敗してしまうのです。
つまり、部下は上司に怒られるのは「報告するから怒られる」という風に思ってしまうのです。
そうなると怒られないようにするには、「報告をしないようにするのが良い」と思い込んでしまいます。
これは潜在意識によるものと言われ、60秒以内に起こったことを結びつけてしまうのだとか。
なので、実際は自分がミスしてそれを「報告」して「怒られた」のに、「報告」と「怒られた」を結びつけてしまい、「報告すると怒られる」になってしまうようなのです。
対策としては、報告したことをまずは褒めてあげると良いそうです。
褒めるとは
褒めるとは、相手に対して笑顔で接し、褒めることで相手に心を開いてもらえます。
好意的に接してくれる相手に対しては、誰でも好意的になってしまうものなのです。
これを「好意返報性の法則」といいます。
逆に、いつも怒鳴ってばかりだと、「なんかこの人嫌だなぁ」とか「こいつの言うことは聞きたくない」と思ってしまいます。
そう、相手とのコミュニケーションがとれなくなってしまうのです。
褒めるとは、良い人間関係を構築するものなのです。
相手の良い点があれば素直に言葉に出して褒めてあげる、これだけで良いのです。
褒めて伸ばすと、相手は自発的に改善しようと行動するようになるんだとか。
褒めて伸ばす方法
褒めて伸ばす場合、実際に褒める場合には、能力ではなく、努力を褒めてあげると効果があると言います。
「頭いいなぁ」と能力を褒めるのではなくて、「よく頑張ったね」などと努力を褒めてあげるのが良いそうです。
もし「頭いいなぁ」と能力を褒めた場合には、その後、失敗を恐れたり、できないことがあると自分には能力がないと思ってしまい、できないので自信も無くしてしまうのだそうです。
一方で、「よく頑張ったね」などと努力を褒めた場合には、新しいことにチャレンジし、できないことでも頑張ろうと思い克服し、成長していくのだそうです。
つまり、人は能力ではなく努力を褒められると、努力することに対して喜びを感じることができるようになり、新しいことにも積極的にチャレンジして成長することができるのです。
最後に
良いところを見つけて「褒める」ことこそが、大事なことのように感じます。
相手を変えようとせず、まずは自分が変わることが大事なことのように思います。
相手の成長を常に考えてあげ、相手ができないからといって厳しい罰(ムチ)を与え続けても意味がないことは、知っておくと良いかもしれません。
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