普段雑誌やブログなどで何気なく目にする「斜に構える」という言葉がありますが、この「斜に構える」という言葉の語源は剣道に由来するということはご存じでしょうか。
剣道の構えには上段、中段、下段とあって中段の構えというのは、相手に向かって斜めに刀を突きだした状態のことを言います(ちなみにですが、剣道の構えには他にも「八相」「脇構え」の全部で5つの構えがあります)。
その構え(中段)のことを「斜に構える」と言うのですが、この中段の構えの状態は剣道の構えの中でも最も基本的なものになります。
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目次です。
斜に構えるの意味と使い方
斜に構えるの意味とは
私達が常日頃、斜に構えるという言葉を使う時には、周りを小馬鹿にしているような見下しているような、真摯に人や世の中と向き合っていないイメージを想像して使いますが、本来の「斜に構える」という言葉の意味は「相手と真剣に向かい合う構えの姿勢」を意味するのです。
ななめという言葉の雰囲気が、真っ直ぐに世間と向き合わないイメージを強く連想させたのだと考えられます。
世の中には本来の言葉の意味と、かけ離れた使われ方をする言葉が数々ありますが、この「斜に構える」という言葉もそのうちの一つと言えるでしょう。
斜め(なな)の意味
斜に構えるという言葉は悪いイメージを持たれがちですが、また一方で「斜」という漢字は「斜め(なな)」とも読むことができ、「斜めの角度から世間を見る」「斜めから物を見る」といったような言葉の使われ方をするときもあります。
そういったときは、少し新しい視点からものを考えることができる、といった革新的なイメージを与えることができます。
同じ「斜」という漢字を使うのでも、組み合わせ方で様々な意味を持たせることができます。
ちなみに、「ご機嫌斜め」だと、嬉しくない、ふてくされている、という意味になります。
また、「斜に構える」の斜の読み方は「はす」ではなく「しゃ」と読みます。
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使い方
それでは実際に、この言葉どのような使い方をすれば良いのでしょうか。
それはとても難しいところです。
なぜならば、本来の意味ならば「相手と真剣に向き合う」という意味ですが、そういう意味で「斜に構える」という言葉を使用している人は実際にはあまりいないでしょう。
かといって、ひねくれた姿勢のことを指して「斜に構える」という言葉を使うのは、本来の意味から言うと間違っています。
ですので、そのようなひねくれたような姿勢のことを指す言葉を使いたいときは、「斜に構える」という言葉ではなく類義語を使った方が良いでしょう。
ひねくれたような姿勢のことを指す場合
例えば「世を拗ねる」「へそ曲がり」「天邪鬼」「素直でない」「偏屈」といった言葉が類義語と言えます。
他にも「さめた目で見る」なども使えます。
「さめた目で見る」➡心理的に一歩引いて物事を見る様子。
ひねくれたような姿勢を「斜に構える」で伝えたい
でもどうしても、「斜に構える」という言葉を使用したい場合の例:
◆彼は、_____ことをカッコイイと勘違いしているようだ。
◆_____必要はない。
◆____て批判する。
最後に
「斜に構える」という言葉、人によって受け取り方が違うのでできるならあまり使用するべきではないのかもしれません。
本来の意味通りではない言葉を使うと、年配の方や言葉に厳しい人などの勘に触るかもしれません。
「斜に構える」は、使用を避けた方が無難と言えます。
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