最近では、語彙力アップとか、語彙力を高めよう、身につけよう、などの本や広告を目にすることが増えてきました。
ですが、そもそも語彙力とは何の事を言っているのでしょうか。
ここでは、語彙力について紹介します。
まずは、意味と使い方から紹介していきます。
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語彙力の意味と使い方
まず語彙力の語彙(ごい)とは、
一定の範囲で用いられる単語の総体をさすことばです。
「一定の範囲」とは、例えば個人であったり、地域、専門領域などのことを言い、「あなたの……」や「英語の……」「理学の……」といった使い方をします。
さらに言えば、語彙は二つに分けることができます。
- 一つは話したり書いたりして使用できることば。
- 二つ目は聞いたり読んだりして理解できることば。
そして、この語彙に”力”(ちから)がついたことで「語彙力」となります。
”力”はパワー、能力、テクニックの意味があります。
つまり、語彙力とは、言葉の活用力、言葉の判断力、という意味で捉えるのが一般的な見方となります。
類語
語彙の類語には、「ボキャブラリー」などがあります。
意味としては
ある仕事で使われる単語のリスト
となっており、語彙の意味と近い言葉になります。
使い方
使い方としては、
例)「君は語彙力が高いね」
などと使うことができます。
これは、状況に合わせて言葉選びができる、相手に応じて言葉を変える力がる、という意味で賞賛しています。
逆に、例)「君は語彙力(語彙)が足りないね」
となれば、会話中のボキャブラリーが少ないとか、文章中の単語が少ない、言葉のニュアンスや使い方がなっていない、などの知識不足を指摘しています。
語彙力を身につける
意味と使い方を知ったうえで、重要になってくるのは「語彙力を身につける」ということです。
ある範囲において自らが理解し、使うことができることばを増やすことで、見識を備えた人間になれます。
身につける範囲は、まずは興味のある分野や普段ふれている分野がいいでしょう。
ここでは「日本語」として話を進めます。
日本語
普段使っている日本語ではありますが、まだまだ意味を知らない言葉はあるはずです。
そうしたことばを見たり聞いたりした時に、すぐさま意味を調べ、記憶することにより自分で使える言葉は増えていきます。
覚える方法としては、何度も書いたり話したりすることで身に染み付かせるのが一番です。
これは学生が英単語を覚える方法と同じです。
ただ注意が必要なのは、単にことばと意味をつなぎ合わせただけで終わらないことです。
本当の知識とは、難解なことばを簡単なことばで言い換えられるようになって初めて身についたと言えます。
自分が知らなかったことばだということは、他者も知らない可能性は十分にあるわけで、そうしたことばをただやみくもに使っていても誰も得をしません。
特に不特定多数へ、なにかを説明しなければいけない際に、難しい単語をただ並び立てるのは悪手です。
そういう時こそ、磨いた知識で誰にでも理解できることばに言い換えるべきなのです。
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語彙・読解力検定
こうして身につけた力を試す機会もあります。
それは、ベネッセコーポレーションと朝日新聞が共同で実施している「語彙・読解力検定」です。
これは誰でも受験することができ、年三回行われています。
1級から4級までがあり、出題形式は5択のマークシート形式です。
出題は3パートに分かれており、
「国語辞典に載っている語句の知識や運用法を問う問題」
「新聞に掲載されている語句の知識や運用法を問う問題」
「読解力を問う問題」
があります。
この検定の趣旨は、社会生活のあらゆる場面や相手に対応できる実践的なことばの力を、正確な物差しで客観的に測定するためだそうで、それを実現するためのIRTという点数の算出方法を実施しています。
せっかく勉強をするわけですから、こうしたわかりやすい目標に向かって努力することも良いことでしょう。
子どもの成長を語彙の広がりから見る
小さい子どもと対峙している時、とても不思議な気分になることがあります。
それは思いもよらない言葉が、彼ら彼女らの口から飛び出してきた時です。
年齢にそぐわない、とても大人びた単語だったり文章だったり、あるいは子どもらしくない実に大人らしい振る舞いを目の当たりにしたとき、まさに狐につままれたような心持ちになります。
「この子はどこでこの言葉を知ったんだろう、意味すら正しく理解していないだろうに、大人の真似をして背伸びをしているのかな」
そう思うと微笑ましいというよりも、本能的とも言えるその貪欲さに圧倒されてしまうのです。
大人を強く諫めたり、時には優しく慰めたり、たまには怒ってみたりするその言動は、大概が周囲の大人から彼らが学んできたことなのでしょう。
お母さんの口真似をする、お父さんの仕草をトレースする、祖父母と時間を共にする、近所の人にあいさつをする、そんな場面から彼らは学び、小さいながらも必死にその言動の意味を理解しようと脳をフル稼働させています。
しかもそこに明確な意思はなく、大半は無意識に行っているのです。
そこにあるのは人間の生存本能であり、生きることに必死な彼らの姿です。
もちろんすべてがうまくいくわけではなく、我流も我流ですから時には使い方が間違っていたり、あるいは単語自体が正しくないこともあります。
そして不完全なそれは時々バグを起こし、ささやかな失敗と少しの恥ずかしさを伴って彼らの記憶に残ります。
そうやって模倣や学習を繰り返し、経験として積み重ねていったものが彼らの語彙となり、最後にはその間違えさえ自分で正すことができるようになるまで成長すれば、もう、物心がついたと考えてもいいのでしょう。
その頃には、冒頭で感じたような不思議な感覚は薄くなります。
彼らとの会話が一個人として成立するようになり、話ができるようになるからです。
年齢が低ければ低いほど、その意味や使い方を全く無視して投げつけるように使われていた言葉が、温度を伴って届くようになります。
コミュニケーションが成立するのです。
一方的だったものが相互的になり、やがて相補的に会話を進められるようになると語彙はさらに爆発的に伸びます。
意欲があればさらに自分で調べ、使い方を学び実践し、自らの糧としていくことでしょう。
時に言葉足らずで傷つくこともありますが、自分の気持ちを自分の持っている言葉で表すことができるようになる、そういった観点から子どもの成長を見守ってみるのも面白いのではないかと思います。
最後に
以上、語彙力について紹介してきましたがどうでしたか。
語彙とは単語の総体のことで、語彙力が高い人は年収も高いなどとも言われています。
ただ、会話中に相手が理解できない単語を並べて話すのは、語彙力が高いとは言えません。
相手にもわかりやすい、それでいて想像をかきたてる言葉を選ぶことが必要です。
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