素敵だけどちょっと高そうなお店を見た時、「自分にはちょっと敷居が高くて入れないなあ」なんて思わず言っていませんか。
実はこの「敷居が高い」という言葉は、そもそも身分や地位、能力などが不釣り合いとか、相手のレベルが高い、ハードルが高いなどの意味ではありません。
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敷居が高いの意味!言い換えや使い方
意味
ここで言う敷居とは、家の門や玄関の内と外を仕切るのに敷かれた横木のことを指します。
そしてお世話になった人などに対して不義理をしてしまったり、何か顔を合わせづらい理由があったりして、その方の家の敷居をまたぐのに気が引ける、というのが本来の意味です。
簡単にまたげるはずの敷居が、高いように感じてしまうということなのですね。
ですから、高級そうなお店や目の覚めるような美人を目の前にして、そのような表現をするのは間違った使い方だと言えます。
そのせいで、何かうしろめたいことでもあるかのような意味になってしまうのです。
敷居が高いの言い換え
従って、そのような場合には言い換えが必要です。
・高級そうなお店
例)「私には、手が届きません」
・美人に対しては、
例)「あの人は高根の花ですから…」
使い方
しかしながら最近では、住環境や生活スタイルが大きく変化しており、この敷居そのものをあまり理解していない方が増えているようです。
そのため「入りづらい」の意味だけが生かされ、「レベルが高い」と同じような使い方をされることが多くなっているのです。
実際このような使い方をするのは、年配層に比べて若年層に多くみられます。
また、最近では「敷居を下げる」などの言葉も生まれ新しい表現として浸透しつつあります。
これによって使われる場面も非常に多岐に渡り、本来の使われ方をされることの方が少なくなっています。
例)「子供にフィギュアスケートをさせるなんて、庶民の私からすれば敷居が高いです」
例)「このデパートは敷居が高いので敷居を下げるような工夫が必要かと…」
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言葉の変化
言葉というのは、常に時代とともに変化を遂げています。
例えば「やばい」という言葉も元々はあぶないとか、危険といった時に使う表現であったのが、若者の間でおいしいとか、うれしいとか良いことを表現するのに使われています。
最初はどうしてそれがやばいのか、という捉え方をしていた大人たちも、やがてなんとなくその表現を認知するようになりました。
さらに言えば「マジ」という言葉も同じように若者から広がり、今では普段の会話でもよく使われています。
このように、時代が変わり生活環境などが変われば、言葉の使い方もそれに伴って変化することは少なくありません。
敷居が高いと感じる場面も、同じように変化しているのかもしれません。
最後に
敷居のないマンション、洋風建築の家に住んでいれば敷居をまたぐシチュエーションが分からないのも仕方がないですし、目上の人や恩人に対する義理・不義理などへの感覚もだんだんと薄れつつある昨今では、敷居も建具ではなく、ハードルやレベルと同等のものと捉えられているのでしょう。
変化することが必ずしも悪いとは限りません。
ですが、日本人として本来の言葉が持つその意味を理解することは大切だと思います。
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