従来の選挙では、投票日の数日前までに有権者のいる世帯にその選挙の公報紙が配布される仕組みになっています。
その配布手段としては新聞に折り込むほか、ポスティング業者などに委託して個別に配布する方式が多く用いられています。
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ネットによる選挙公報
以前は、ネットによる選挙公報の公開については内容を改ざんされる恐れがあるとして、認められていませんでした。
しかし、
東日本大震災後の被災三県での選挙で、転居した人が増え、個別配布が難しい世帯もあり、選挙公報を多くの人に届ける手段として、インターネットのサイト画面上へ公開することが特例として認められる事となり話題になっています。
インターネットのサイトで公開
しかしこの場合、サイト画面上に掲載される情報は、選挙ポスターに準じた扱いとなっており、選挙期間が終了すれば、直ちに掲載をやめることが適当であるとされています。
しかし、もし、その政治家が当選した場合、当選後に広報に示していた公約が実際に守られているのか、などが有権者から確認しにくくなり、いわゆる「政治家の言いっぱなし」という事態が発生するのではないかということも大きく懸念されていました。
このため、国内の学生ボランティアが主体となり、選挙公報データを継続的に保存や閲覧可能にするというサイトを立ち上げて注目を浴びています。
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ペーパーレス時代
近年、何かと情報がデジタル化され、どんどんペーパーレスになっている時代です。
このような背景から、特に若い世代にとって、情報は紙で見るより、スマホやパソコンからの閲覧の方が身近で手軽なものとなっているのです。
昨今の選挙事情は、国民の無関心、特に次の世代の社会を担う若者の選挙参加に対する意識の低さが浮き彫りになっていると言えます。
その傾向は実際の投票率低下など、具体的な数字からも見てとれます。
このようなことから考えても、インターネットで各自治体の候補者の情報を入手できるということは、国民の選挙離れを食い止める一端をも担っているのです。
しかし、単に良い面ばかりでなく、内容改ざんなどに対する施策を講じたり、ネットという見えない広い世界のセキュリティーに関する問題など、同時にしっかりと考えておかなければならないポイントがあるのも事実で、それらに日々尽力している人々も多くいます。
最後に
このように少しでも、多くの国民へ選挙情報を届け、不意の災害など、どんな状況下にあっても、一人でも多くの政治参加を可能にするのがネットによる選挙公報なのです。
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