一般家庭においては、漏電の原因を突き止めることは意外と簡単にできます。
しかし、工場などの現場では、その原因がわからずに長時間に渡ってラインが止まるなど漏電による被害は甚大です。
ただの漏電だと、油断していると火災の原因にもなりかねません。
なのでここでは、一般家庭と工場などの現場で起こる漏電の原因とその調べ方について紹介します。
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目次です。
漏電の原因とその調べ方
通常、電気が漏れると、漏電遮断器が作動し、0.1秒以下の速さ(高速形)で自動的に電気を止めます。
なぜ、漏電遮断器が漏電を検知できるのかと言えば、漏電遮断器は電気の量を見ているので漏電により電気が漏れることで、通常時よりも電気が戻ってこないと判断して回路を遮断します。
この遮断機は、分電盤に内蔵されています。
漏電遮断器
まずは本当に電気が漏れているのかどうか、分電盤の遮断機を見て確認します。
一般的な住宅用分電盤であれば、アンペアブレーカーの右側に配置されています。
この遮断機のつまみが下になっていれば、電気が漏れていることがわかります。
電気が漏れていると考えられる場合には、以下のような調べ方の手順に従って行います。
調べ方の手順(一般家庭)
まず、配線用遮断器のスイッチを全部切ります。
配線用遮断器は、他のブレーカーよりも小さいです(分電盤の右側にあります)。
部屋やエアコンなど、電気回路別に設置されているのでわかりやすいと思います。
次に、使用している電気器具がないか各部屋を見て確認します。
漏電後に再び電気を流したときに火災が起きたり、ショートしたりするおそれがあるからです。
また、子どもやペットなどが配線器具に触れていないことも確かめます。
感電のおそれがあります。
そして、漏電遮断器のスイッチを入れます。
その後、配線用遮断器を一つずつ入れていきます。
このとき、漏電遮断器が再び切れたときは、その電気回路で電気が漏れていることになります。
一方、配線用遮断器のスイッチが問題なく入れられた場合には、電気は漏れていないことになります。
どの回路に原因があるかがわかったときには、電気が漏れている回路の配線用遮断器だけを切ったままにしておきます。
そして、契約している電力会社か、専門の業者に連絡をします。
自分で原因を探るときは、調べ方に注意が必要です。
電気に触れないよう、細心の注意をはらいながら行います。
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考えられる原因
考えられる原因としては、配線器機や電化製品などのコードやプラグが傷んでいることが挙げられます。
経年劣化や破損によって異常が見られることがあります。
水
また、水をかぶることでも電気が漏れます。
住宅
住宅の場合は、
- 洗濯機
- 衣類乾燥機
- エアコン
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
- 食器洗い乾燥機
- 電気給湯器
などが考えられます。
屋外
屋外であれば、
- コンセント(雨)
- 庭園灯
- 井戸ポンプ
- 池水循環ポンプ
などが考えられます。
お店
お店であれば、
- ショーケース
- 自動販売機
- 業務用冷凍庫
- 業務用冷蔵庫
- エアコン
- 食器洗い乾燥機
などが考えられます。
さらに電飾なども原因となることがあります。
このような水をかぶるおそれのある場所の電気機器は、アースを取り付けておくと感電を防ぐことができるので安心です。
工場
次に、工場などの現場で起こる漏電についてですが、特に食品工場など、水を頻繁に使う現場での漏電が多いです。
食品工場などでは、加工品を生産する過程で必ず何かしらの電動機を使います。
またそのほとんどが、動力(200V)を使用します。
漏電の原因
食品工場などの水を使うことが多い現場での漏電のその多くは、水によるものです。
特に機械を制御する、押しボタンには防水加工しているタイプでも水が入る場合があります。
防水加工がされていない場合、多くのケースは、押しボタンに水が入ることによるものです。
その他には、モーター類の故障、配線コードの劣化によって電線がむき出しの状態であること、稀に制御回路の異常によっても起きることもあります。
また、漏電遮断器を用いていることから、過負荷などにより漏電ブレーカーが落ちることも多いです。
近くに雷が落ちたことで漏電が起きることもあります。
いずれにしても素人には、判断が難しいのでこうした状況になったら、電気や動力関係に詳しい人に聞くか専門の業者に連絡をすることが必要です。
最後に
もし漏電の原因がわかったとしても、自分で修理するのではなく、電気工事士の資格を保有している人にお願いすることが大事です。
素人による電気工事は火災の原因です、注意しましょう。
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